第1部 FT-IRおよびラマンによる硬化樹脂の硬化反応分析
(2018年4月20日 10:00〜11:20)
赤外分光 (FT-IR) は硬化樹脂の静的状態の分析に加え 光や熱などの外的刺激を与えながら硬化反応をモニターできる利用価値の高い分析法である。またラマン分光は、非破壊深さ分析の能力を持っており、硬化樹脂の深さ挙動の分析に有効である。本講座においては、赤外およびラマン分光の基礎から、装置、サンプリング方法、分析例などを紹介する。
- FT-IR の基礎と原理
- 樹脂の硬化評価に適した測定手法
- 装置 アクセサリ
- 試料 前処理・調整
- FT-IRによる硬化樹脂の分析例
- エポキシ樹脂
- ポリウレタン樹脂の加熱下における時間変化
- UV硬化樹脂
- FTIR-ATR
- FTIR-ATRの基礎と原理
- FTIR-ATRによる硬化樹脂の分析例
- ラマン分光
- ラマン分光の基礎と原理
- コンフォーカル (共焦点) を使った深さ分析
- レーザラマンによる硬化樹脂の分析例
- ハイフネート分析
- レオメータIR、レオメータラマン
- TGA-IR
第2部 樹脂硬化収縮率、収縮応力の測定とその解析
(2018年4月20日 11:30〜12:50)
- 機能性樹脂の利用展開の現状
- ラドキュア技術概要
- 硬化収縮率測定方法
- 微量硬化収縮率測定方法
- 原理
- 精度
- 運用方法
- 応力測定方法
- 原理
- 精度
- 運用方法
- 熱硬化樹脂の収縮モデル
- 熱硬化樹脂測定例
- 光硬化樹脂測定例
- 要求される樹脂機能
- まとめ
第3部 誘電分析 (DEA) による 熱硬化性樹脂の硬化挙動測定・評価技術
(2018年4月20日 13:30〜14:50)
誘電分析は試料形状の制約を受けず熱硬化挙動を反応 開始から経時的にモニターでき、基礎研究からプロセスラインまで幅広く 利用できる分析手法である。本講では誘電分析の基礎、測定の実際、 アプリケーション例を紹介します。
- 誘電分析の基礎
- 誘電分析装置について
- 誘電分析の熱硬化挙動評価事例
- 熱硬化樹脂
- 光硬化性樹脂
- CFRPへの応用
第4部 特異な分解反応を利用する硬化樹脂の 架橋ネットワーク構造解析と硬化反応率の定量
(2018年4月20日 15:00〜16:20)
UV及び熱硬化樹脂などの架橋高分子は、高分子鎖が互いに橋かけしたネットワーク構造を持ち、あらゆる溶媒に不溶であることから、適用できる分析手法は非常に限定されており、その化学構造について十分な解析がなされているとは言い難いのが実状である。
本講では、演者らが開発してきた、樹脂試料の特異な分解反応を利用して、各種硬化樹脂の組成・反応率およびネットワーク構造を解明する手法について、具体例を紹介しながら概説する。
- 不溶性架橋高分子のキャラクタリゼーション
- 反応熱分解ガスクロマトグラフィーによるUV硬化樹脂の解析
- 有機アルカリ共存下での反応熱分解ガスクロマトグラフィー
- 反応熱分解ガスクロマトグラフィーによるUV硬化樹脂の精密組成分析
- 反応熱分解ガスクロマトグラフィーによるUV硬化反応率の解析
- 反応熱分解ガスクロマトグラフィーによるUV硬化樹脂のネットワーク構造解析
- 超臨界流体分解を併用するマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法 (MALDI-MS) によるUVおよび熱硬化樹脂の解析
- MALDI-MSの特徴
- 超臨界メタノール分解
- 超臨界メタノール分解を利用するMALDI-MSによるネットワーク構造解析
- SEC分取を併用した詳細な解析