第1部 衝撃現象・破壊の基礎と耐衝撃性の評価・試験法
(2018年5月29日 10:30~14:20)
衝撃工学という分野の敷居が高く見えるのは、大学の時間割でもこのような科目名がポピュラーではないことをはじめとして、応力が波動として伝ぱすることによる準静的負荷では見られない破壊モードが観察されること、材料の応力 – ひずみ曲線の形状が変わってしまうことによる。波動伝ぱについてはいくつかの実例を紹介する。応力 – ひずみ曲線の速度による形状変化については過去に取得した実験結果をできるだけ多く紹介し、その程度を感覚的につかんでもらいたい。
耐衝撃性の改善は製品差別化の手法の一つです。材料や製品ごとに経験の積み上げが必要な世界の話をしましょう。
- 衝撃工学とは何か
- 衝撃特有の破壊モード
- 波動であるという前提
- 重ね合わせの原理が決め手
- 応力 – ひずみ曲線の形状変化 (ひずみ速度効果)
- ひずみ速度の定義
- 鉄鋼の場合
- アルミニウム合金
- プラスチック
- 複合材料
- 衝撃破壊
- 応力波の種類
- 特有の破壊モード
- 計算力学との距離感
- 実験事実に基づく基礎的な構成方程式
- 材料定数を決めるだけの構成方程式
- 時間も要素も細かく,最適な座標系と時間積分法の選択
- 高速材料試験方法
- どうして一般的な材料試験機の高速化で対応できないのか?
- オリジナルのスプリット・ホプキンソン棒法
- 引張り型のスプリット・ホプキンソン棒法
- ワンバー法
- 実験方法の違いによる実験データ互換性の問題
- 高速引張り試験機によって得られた知見
- 今後,衝撃工学を学ぶには
第2部 衝撃・破壊現象の高速度カメラによる観察・解析のテクニック
(2018年5月29日 14:30~15:30)
高速度カメラに馴染みのない方々にも、高速度カメラで何がどこまでできるのかを学んで頂けるよう、高速度カメラの基本的な特性を解説し、高速度カメラを使った観察・検証を行う際に役立つ注意点と、最新の技術について紹介する。
- 高速度カメラの仕組みと機能
- なぜスローモーションでみることができるのか
- 各種機能・パラメータの選び方と撮影への影響
- 撮影時に役立つ光学系・照明の知識
- 最適な焦点距離の決め方
- 特殊なレンズの種類と使用時の注意点
- 絞り機能の使い方
- 照明が観察に与える影響
- 高速度カメラによる波形同期撮影法
- 高速度カメラによる動画解析法
- 衝撃・破壊試験の使用事例
- 引張試験
- 破壊試験
- 衝撃波
- 落下試験
- その他の使用事例
- 最新の技術紹介