残留応力の基礎と測定・評価の要点

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プログラム

中代氏 担当講義趣旨

 昨今の材料開発技術はめざましいものがあり、従来の金属材料から高強度プラスチック、セラミックス、炭素繊維などの複合材料、溶射、表面改質など高強度材の実用化が進んでいる。高強度材は内部応力 (残留応力) も大きくなり、残留応力を積極的に運用すれば高性能部材にもなり得るし、設計で想定した外部応力に残留応力が加算された想定外の応力負荷で不具合の発生要因にもなる。さらに機械加工過程で機械加工精度向上にも残留応力の管理・把握が重要である。また、使用過程で残留応力が発生する場合もあり、部材の健全性評価、余寿命診断においても残留応力の評価は必要不可欠なものである。  本講義では、この残留応力の基礎的な技術背景、不具合事例、積極的利用例などの紹介をおこなう。さらに、非破壊的な残留応力計測方法であるX線残留応力測定法について計測原理・計測方法や最近の現場計測用装置の特徴についても紹介し、残留応力の課題について実践的に対応できることを目標とする。

三上氏 担当講義趣旨

 世界では様々な残留応力測定法が種々の材料に適用されている。残留応力測定法は、非破壊法、準非破壊法および完全破壊法の3種類に分類される。本講座では、準非破壊法と完全破壊法に的を絞って解説する。これらは原理的には応力解放法に属し、測定対象物に穴をあけるか、完全に切断することにより残留応力を解放し、その際に解放されるひずみや変形を測定して、元々存在していた残留応力を解析するものである。  本講座ではそれらの測定原理や測定手順について解説し、受講者が実務で残留応力の問題に遭遇した際に適切な測定方法を選択できるようにする。なお、残留応力測定ではひずみ測定が基本となるので、材料力学の基礎とひずみゲージによるひずみ測定法についても簡単に解説する。また、直交異方性材料 (CFRPなど) の残留応力測定法についても触れる。

  1. 残留応力の基礎と背景 (担当講師:中代氏)
    1. 残留応力とは
    2. 残留応力の管理と運用
  2. 材料力学の基礎 (担当講師:三上氏)
    1. ひずみの定義
    2. 応力の定義
    3. 応力とひずみの関係
  3. ひずみの測定方法 (担当講師:三上氏)
  4. 応力解放法による残留応力の測定法 (担当講師:三上氏)
    1. 切断法 (Sectioning)
    2. 穿孔法 (ASTM E837規格)
    3. DHD法
    4. Ring Core法
    5. Slitting法
    6. Contour法
  5. X線応力計測法とその他非破壊計測法 (担当講師:中代氏)
    1. Ⅹ線による応力計測方法の原理
    2. X線計測方法の実施例と最近の計測装置
    3. その他の非破壊計測方法 (放射光、中性子線、材料物性等)
  6. 残留応力の利用と損傷事例及び対策 (担当講師:中代氏)
    1. 残留応力の利用方法
    2. 残留応力による損傷事例とその対策 (応力除去方法など)
  7. まとめと質疑応答 (担当講師:中代氏、三上氏)

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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