2016年3月に発表された「水素・燃料電池戦略ロードマップ改訂版」では、将来の水素社会実現に向けて、家庭用燃料電池や燃料電池自動車などの普及目標を明確化しました。例えば東京オリンピック開催の2020年までに、燃料電池自動車の普及台数を4万台程度と設定しており、今後ますます水素・燃料電池技術が注目を集めていくことは間違いありません。
ところで燃料電池と聞くと、「水電解の逆反応」と一言で説明されることが多いと思いますが、実際に燃料電池ではどの様な反応が進行しているのか、電気化学の視点で説明することはなかなか難しいものです。燃料電池について今一度基本から振り返っておきたい方も多いのではないでしょうか。
本セミナーでは、燃料電池の心臓部に使われる「電極触媒」に焦点を当て、電気化学の基礎から始まり、電極触媒の基礎そしてその活性と耐久性向上のために何が重要なのかを基本に立ち返って説明していきます。
すでに燃料電池関連の業務に携わっていて今一度基本を振り返っておきたい方、これから関わる予定のため基礎を押さえておきたい方、今後の新規事業のために燃料電池の基本を身に着けておきたい方、などを対象に、技術系だけでなく非技術系の方にも受講をお勧めします。
- 電気化学の基礎
- エネルギーの変換
- 電気化学反応の基礎~水電解を例に
- 電気化学測定の基礎
- 電気化学反応を支配する因子
- 活性化エネルギー
- 触媒活性と分極曲線
- 電荷移動律速と物質移動律速
- Butler – Volmerの式とTafelの式
- 基本的な電気化学測定法
- サイクリックボルタンメトリー
- 回転ディスク電極法とKoutecky – Levichプロット
- 電気化学的手法以外の電極触媒評価法
- 電気化学に関する教科書
- 燃料電池電極触媒の基礎
- 燃料電池の概要
- 燃料電池の種類
- 燃料電池の発電原理
- 燃料電池の歴史
- 燃料電池の性能を支配する因子
- 各部材に求められる性能
- 起電力、分極、発電効率
- 電極触媒層の構造
- 電極触媒の活性
- 重量活性、比活性、Pt触媒比表面積
- 触媒のPt比表面積
- 測定法 (CV法とCOストリッピング法)
- 触媒の比活性
- Pt触媒とPt合金触媒
- 触媒の比活性
- 触媒の電子状態
- 触媒の重量活性の向上
- コアーシェル型触媒の基礎
- 触媒の耐久性
- Pt粒子の耐久性
- カーボン担体の耐久性
- 電池起動時の腐食問題
- 燃料欠乏時の腐食問題
- 触媒耐久性の評価法
- 電解質膜の劣化
- 過酸化水素の生成による劣化
- 回転リングディスク電極法による過酸化水素生成率の評価
- チャンネルフロー二重電極法による過酸化水素生成率の評価
- NEDOセル評価解析プロトコルについて
- 燃料電池普及に向けて
- 電極触媒の最近の研究開発動向
- Ptの資源量
- 今後の展望