フォトリソグラフィを基本とした微細加工技術は集積回路の製作に用いられるが、このフォトリソグラフィを基本にした立体的微細加工技術は「マイクロマシーニング」と呼ばれる。この技術を用いるとシリコン基板などにセンサ・回路・アクチュエータあるいは微細構造体のようないろいろな要素を集積化した、高度な働きをする小形システムを実現することができる。このような小形システムは「MEMS (Micro ElectroMechanical Systems) 」あるいは「マイクロシステム」と呼ばれ、情報機器周辺をはじめとする広い分野で、システムの鍵を握る重要な要素として用いられる。 この技術では、小形化、一括組立・集積化などが特徴で、高付加価値の小形部品を大量に安価で供給できる。電子工学、機械工学、光工学、材料科学などのさまざまな分野の技術を融合し、情報・通信、運輸・家電、製造・計測、医療・バイオ、環境・防災などの幅広い分野に応用されている。多様で標準化しにくいために開発がボトルネックになっており、それを工夫して、この技術を有効活用する道についても述べる。