赤外法はポリマーや添加剤の定性のために最も多用されている。定性技術向上を目的として、対象は「プラスチックとエラストマー」および「プラスチック用添加剤」に特化し、内容は「赤外スペクトルの読み方」に特化した講座である。
そもそもは、コンピュータ検索を使用しない分析技術者に、スペクトルの定性を素早く正しく行う指針を伝授することを企図したが、コンピュータ検索を用いている場合でも、このような指針を併用すれば、選ばれた候補の中から正解を素早く見つけられるので、検索の精度・効率が飛躍的に向上する。
一般論ではなく、講師が実測したスペクトル (ポリマー580種類、添加剤630種類) を基に得た具体的な知見やノウハウが中心。説明に加え、そのまま活用できるマニュアル (「実践ガイド」) も提供。
- 共通基礎 (1) 赤外分光法の基礎
- ポリマーと添加剤のスペクトルの解釈に必要かつ有用な理屈の説明
- 赤外吸収の原理:基準振動&グループ振動
- グループ振動のシフト
- 特性吸収帯のまとめ&波数領域分割の勧め
- 赤外スペクトルによる定性の基本
- 読む力が身に着きやすいスペクトルとは
- 共通基礎 (2) スペクトルの眺め方
- 構造の違いは色々な形でスペクトルに反映されているという説明
- 複眼的視点:スペクトルを多角的に眺めること
- 顕微鏡的視点:ピークの僅かな差を見逃さないこと
- 赤外スペクトルによるポリマーの定性:基礎
- 大まかな識別法と細かい識別法の両方を説明
- 構造タイプ別パターン&特徴
- 構造類似ポリマー間の識別法
- 赤外スペクトルによるポリマーの定性:実践
- この位置にこういうピークがあったらこのポリマーであるという指針をまとめた、そのまま利用できる独自の実践ガイド
- 未知スペクトルの定性法:基本的な考え方
- 波数領域別の特徴の整理
- 実践ガイド:ポリマーの未知スペクトルの定性法
- 混合物の解析法
- 混合物のスペクトルの解析法のコツ
- 解析例
- ポリマーの定性:ラマンの効果的な利用法
- こういうポリマーは赤外よりも単純明快に識別できるという説明
- ラマン分光法の原理&特徴
- ラマンで単純明快に定性できるポリマーのまとめ
- 赤外吸収スペクトルによるプラスチック用添加剤の定性:基礎
- プラスチック用添加剤の種類と効用
- 主要添加剤の赤外スペクトルの特徴
- 波数領域別の特徴の整理
- 添加剤分析上の注意
- 実践ガイド:添加剤の未知スペクトルの定性法
- この位置にこういうピークがあったらこの添加剤であるという指針をまとめた、そのまま利用できる独自の実践ガイド