新材料の発明に際して特許を申請するとき、その請求項としては内部 構造あるいは組成が主であり、物性はそれに付随するものとして取り扱われるのが普通です。しかし、ある機能を実現するために材料のレオロジー的性質が極めて重要で本質的である場合、レオロジー量そのものが特許として権利化されることがあります。技術的対象を特定するために数値を規定した特許はパラメータ特許と呼ばれていますが、権利化のためには機能とレオロジー量との関係を明解に説明できることが要件となります。
本セミナーでは、レオロジー特許について基礎科学と応用技術という観点から経験を交えてわかりやすく解説します。
- パラメータ特許の概要
- 粘度および粘度曲線の特許化
- 粘度挙動の基礎
- 粘度の定義
- 非ニュートン流動
- 降伏値
- チクソトロピー
- 技術用語「チクソ性」のあいまいさ
- 粘性挙動とメカニズムとの関係
- 低濃度高分子溶液のゼロせん断粘度と分子量
- 高濃度高分子溶液の非ニュートン流動
- 微粒子分散系のおける粒子間相互作用と凝集
- 微粒子分散系の非ニュートン流動
- 粘度測定における問題点
- 二重円筒型粘度計におけるせん断速度の不均一性
- B型粘度計における粘度測定
- 粘度挙動に関する特許の例
- 粘度特許の解釈と技術的あいまいさ
- 特性値としての降伏応力決定法の例
- 動的粘弾性値の特許化
- 粘弾性の基礎
- 弾性と粘性の基礎
- マックスウェルモデルと応力緩和
- フォークとモデルと遅延弾性
- 正弦振動ひずみと正弦振動応力
- 動的粘弾性 (複素弾性率) の定義
- 動的粘弾性曲線による固体と液体の判別
- 動的粘弾性とメカニズムとの関係
- 高分子の分子運動とガラス転移
- 時間 – 温度換算則
- 高分子の粘弾性挙動と分子量
- 高分子における高次構造性と粘弾性
- 分散系における凝集構造と動的粘弾性曲線
- 凝集分散系における非線形線弾性
- 粘弾性に関する特許の例
- 粘弾性特許の解釈と技術的あいまいさ
- 粘弾性値によるプロセスの特許化
- 規格とレオロジー
- 粘度の規格基準
- 規格基準のあいまいさ
- パラメータ特許取得に係る経験と留意点
- 米国特許取得の経験談
- 学術論文と特許