高分子の腐食、劣化メカニズムとその対策

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本セミナーでは、高分子の分析・評価技術、添加剤の適切な配合法、高分子材料の劣化と対策について詳解いたします。

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プログラム

第1部 酸・アルカリ環境下におけるプラスチック材料の腐食劣化の考え方

(2018年4月17日 10:30~12:00)

 プラスチック材料は、酸やアルカリ水溶液環境下でも腐食に耐えるといわれるが、溶液が浸透すると機械的強度が低下し、さらに高温高濃度といった厳しい環境に長時間曝されると加水分解などを起こして劣化する。ここでは、熱硬化性樹脂を中心に酸・アルカリ水溶液といった腐食性環境における劣化現象を腐食劣化と定義し、その劣化形態に基づいた高分子材料の腐食の考え方について解説する。  具体的には、「表面反応型」、「腐植層形成型」、および「全面浸入型」を定義し、この劣化形態に基づいた劣化メカニズムを示す。

  1. 耐食樹脂の化学構造と特徴
    1. 耐食性樹脂の種類と化学構造
    2. 耐食FRPと防食樹脂ライニング
  2. プラスチック材料の腐食劣化
    1. 耐食用途への適用事例と劣化事例
    2. 物理的劣化と化学的劣化
  3. 物理的劣化
    1. Fickの理想拡散とCaseⅡ
    2. 可逆性
    3. フィラーの効果
  4. 化学的劣化 (3形態)
    1. 表面反応型
    2. 腐植層形成型
    3. 全面浸入型
    4. 化学劣化の形態とメカニズム

第2部 プラスチック添加剤の適切な選定法と対劣化処方

(2018年4月17日 12:45〜14:15)

 自動車のバンパーや内装材、テレビ、食品用容器・包装材料、生活資材・工業用資材等多くのプラスチック材料には多種類のプラスチック用添加剤が少量ずつ配合されている。中でも、酸化防止剤/光安定剤は熱や光による酸化劣化抑制に効果的であり、長寿命化や高機能化に大きく貢献している。一方で、酸化防止剤/光安定剤の種類・添加量を誤るとブリードアウトによる外観不良や変色を引き起こす可能性がある。  本講演では、ポリオレフィンを中心としたプラスチックの劣化機構について説明するとともに、酸化防止剤/光安定剤を紹介しながらその適切な選択・使用方法について解説する。

  1. 高分子材料の酸化劣化と安定化
    1. プラスチック用添加剤とは?
    2. プラスチック用添加剤の種類
  2. 酸化防止剤の種類と有効な使用方法
    1. フェノール系酸化防止剤
    2. リン系酸化防止剤
    3. チオエーテル系酸化防止剤
  3. 重金属不活性化剤の種類と使用方法
  4. 光安定剤の種類と有効な使用方法
    1. UVAの作用機構および性能比較
    2. HALSの作用機構および性能比較

第3部 樹脂の耐光 (候) 性試験の概要と精度向上のための課題

(2018年4月17日 14:30〜16:00)

 プラスチックなどの耐候性試験は、多くの労力と費用がかかる厄介な試験である。結果を早く得るために、人工促進試験機が使用されるが耐候性試験機は多くの種類があり、得られるデータはバラツキが多い。試験精度の向上のためには、試験機の特徴や内容を理解しないと、信頼性のあるデータが得られない。  試験機メーカが劣化因子をどのようにコントロールしているか、その内容をユーザーがどの程度知っているかが、試験精度と再現性をよくするポイントである。  これらの解説と劣化因子である紫外線強度、温度、水などの試験条件を変動させたらどうなるか?など紹介する。

  1. 「たいこうせい」とは何か?何故行うのか?
    1. 企業におけるクレーム対応
    2. 「たいこうせい」に関して、間違われやすい一般概念
  2. 耐光 (候) 性試験の種類
    1. 耐光 (候) 性試験の規格とポイント
  3. 屋外暴露と人工促進暴露の関係
  4. 各種試験機の特徴と課題 – キセノン、サンシャイン、メタハラなど -
  5. 人工促進試験機に取り込める劣化要因と再現性向上
  6. ランニングコスト耐候性試験はお金がかかる!
  7. 試験条件設定違いによる試験データの紹介

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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