(2018年4月4日 10:30〜12:00)
電池は、電気容量が大きくなるほど暴走によるリスクが高まることになる。電池特性と安全性を両立するために、多様な活物質やバインダ、集電体、セパレータ、電解液などの研究開発が目覚ましい進展をみせている。本講は、各種のセパレータを用いて電池性能評価と電池安全性評価を行い、構成部材が及ぼす影響について、多様な具体例を紹介する。電池の安全性評価結果の一例に基づいて、リチウムイオン電池の熱暴走メカニズムについて述べたい。
(2018年4月4日 12:50〜14:20)
リチウムイオン電池の特性向上は著しいものがあるが、その一旦をセパレータのコーティ ング技術が担っている。そのような背景を踏まえ、セパレータのコーティング技術についてそれが必要となった背景及び目的、技術内容、今後の動向について概説する。
(2018年4月4日 14:30〜16:00)
現在、主なセパレータは乾式法と湿式法で作られているフィリム型であるが これらのセパレータは孔の空隙率が低く (約40%) 、電解液の濡れ性が低く、また熱的安定性の低下という欠点がある。 一方、不織布型のセパレーターは、低コスト、微孔構造になりやすい (空隙率約60~90%) ことから多孔フィルムの代替品として重視されている。その内、エレクトロスピニングは、静電気紡糸で極細ナノファイバーを作り出す技術で、様々な領域に応用されている。エレクトロスピニング技術を用いて、基材の上にナノファイバーを紡糸し、出来上がった複合材料は孔のサイズが小さく (数百ナノメートル) 、空隙率が高く (約80%) 、通気性が改善できるなどの特長を持つため、LIB用セパレーターとして検討されていることを紹介する。また、セパレータの現状として中国の動きを見てみる。 現在、講師は中国江西省人民政府の100人研究者として選ばれ多くの中国の関連企業の研究指導を行っている。さらに、結論としてこれからのセパレータのゴールを提案する。