においの知覚メカニズムと定量評価、製品開発への応用

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本セミナーでは、ヒトの嗅覚メカニズムから客観的評価手法のポイント、品質管理や製品化の実事例を解説いたします。

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プログラム

第1部 においの知覚・認知メカニズムと においの応用・製品への適用

(2018年4月16日 10:00〜11:30)

 本講座では、まず、においが生体の嗅細胞に受容されるメカニズム、嗅細胞から嗅球へのにおい情報伝達の仕組み・原理について述べ、次に嗅球から脳内の高次嗅覚中枢へ投射される嗅神経の2つの神経路と前頭眼窩野の2つの嗅覚中枢に関し、最新の情報について説明します。次に、これらの最新の知見を基に、ヒトの嗅覚を客観的に計測し、定量評価する非侵襲計測法の幾つかを紹介し、どのような結果が現在得られているかを分かり易く解説します。 また、においの知覚と認知の機能について、実験結果を紹介する中で、脳内におけるにおいの情報処理を明らかにし、能動的嗅覚の最新データ、においと記憶・情動との関係、脳における五感の統合メカニズム、においと認知症、健康との関係等についても触れる予定です。 これらの応用として、人工的においセンサーの開発事例、食品、機械、生活用品、医療関係、健康との関連など、種々の製品への応用について述べます。  特に、高校程度の物理・化学の知識があれば十分ですので、初心者から専門家まで、においに関心のある方なら、誰でも受講を歓迎致します。

  1. においの受容と伝達のメカニズム
    1. 嗅細胞におけるにおいの受容
    2. 嗅球における神経ネットワーク系
    3. 嗅球から高次嗅覚中枢への神経路と投射
  2. ヒトの嗅覚の客観的・無侵襲計測法と評価
    1. 脳波 (EEG) の計測法と評価
    2. 脳磁図 (MEG) の計測法と評価
    3. f – MRI計測法と評価
    4. PET計測法と評価
    5. NIRS計測法と評価
  3. 脳内におけるにおいの知覚と認知の機能
    1. ヒトの高次嗅覚中枢 – 前頭眼窩野の特定
    2. においの認知とオドボール課題の実験
    3. 能動的嗅覚 – スニッフィング実験
  4. 脳の進化論と嗅脳
    1. ヒトの脳の進化と3層構造モデル仮設
    2. プルースト効果とにおいの記憶と海馬
    3. 扁桃体とにおいの情動
  5. 五感の感覚統合機能
    1. 五感の感覚統合モデル
    2. 五感の情報通信技術
  6. においの応用・製品への適用
    1. においの人工センサー
    2. 嗅細胞の再生と認知症との関係
    3. においの医療、健康への応用と製品化技術
  7. 今後の展望とまとめ

第2部 においの知覚メカニズムからの複合臭の定量評価

~分析型官能評価、成分分析、におい識別装置を駆使したにおい問題へのアプローチ~

(2018年4月16日 12:10〜13:40)

  1. においとは?
  2. 嗅覚の検知メカニズム
    1. メカニズムからみたにおいの定量化の難しさ
    2. 人の嗅覚メカニズム
    3. 嗅覚メカニズムから考えて、複合臭は成分に分けずに評価することが必要
    4. 複合臭の一例として飲料の香り
    5. 嗅覚的ホワイトってなに?
    6. 官能評価で行われいるオミッション法と嗅覚メカニズムの関係
    7. 嗅覚メカニズムからのマスキング、ペアリング
    8. 複合臭って実際どんなもの?
  3. においの単位とは?
  4. においを見える化する
  5. 官能評価法の種類
  6. 機器分析の種類と特徴
  7. 機器分析のサンプル調整方法
  8. においセンサ – 法
  9. におい識別装置
  10. 快不快測定
    1. 官能評価による快・不快測定
    2. 快不快測定は、嗜好型官能評価
    3. におい識別装置による不快度測定
  11. 異臭・悪臭分析
  12. マスキングの定量化
  13. 臭気・悪臭の定量にむけて
  14. 複合臭に対する最近のアプローチ

第3部 食品の官能評価とにおい分析手法、およびその相関

(2018年4月16日 13:50〜15:20)

 食品のにおい評価に有用な官能評価手法を目的に合わせて説明する。特に、商品の特性を定量的に測ることができるQDA法や、食べてから時間経過での変化を評価するTDS法などに焦点をあて、製品開発やマーケティングでの活用法を述べる。また、官能評価データを補完するための機器分析ツールとして、高感度・高速分離分析技術とケモメトリックス手法を組み合わせた複合臭の分析手法を紹介し、官能評価との相関づけについて提案する。

  1. 食品開発ための官能評価手法
    1. QDA (定量的記述分析法)
      1. QDA法の基本概念
      2. パネルのスクリーニング方法
      3. 用語開発の手順
      4. データ解析 (分散分析、主成分分析)
    2. TDS法による時系列での感覚特性の変化の測
    3. 嗜好データと組み合わせたプリファレンスマッピング
  2. 官能評価を補完するためのにおい分析システム
    1. におい成分のフィンガープリント分析とにおいライブリ
    2. レトロネイザルアロマの測定
    3. 分析データと官能評価との相関

第4部 香りを訴求する商品の実際と今後の展望

(2018年4月16日 15:30〜17:00)

株式会社 DMRLab 代表 出村 光司 氏

 感覚感性を訴求した商品開発の重要性は今や企業において必須となっている。これはハードに限らずソフトにも要求されている。特に香りアロマは商品の提供側にも消費側にも相互に必要性と興味を感じられるが未知な部分が多いのが実情である。いわば、未知の大陸で、今、消費者が求めているモノ・コトは企業の提案するそれと合致しているだろうか?実際は相互に手探りの状況である。デジタルマーケティングテクノロジーやAIのような目の前の動向も重要と認識し、我々と消費者両方共に「ワクワクしたい」というヒトの本質的なテーマを些末な時間で議論、提案したい。参加者の、香りアロマを軸足にした商品開発のための発想に寄与するようなトリガーになるのが本講座の趣旨である。

  1. 香水とアロマと「香りアロマ」
    • 生活空間と生活習慣と「香りアロマ」
  2. 「香りアロマ」で発想の転換をしてみましょう!
    • アジアの片隅からですが宇宙に匂いはあるか考えて見ましょう!
  3. 「香りアロマ」で時空間旅行ができる?
    • タイムトラベルとVR~感覚感性ってそもそも何?
  4. 「天然原料だから安心安全」って本当だろうか?
    • ワシントン条約とIFRA/RIFM規制
    • 簡単な法規制のお話
  5. 「香りアロマ」を感じる「こころ」は体のどこにある?
    • 感覚感性の脳内処理は皆同じでは無い!
  6. そもそも消費者は「香りアロマ」情報の脳内処理に興味があるのだろうか?
  7. 「香りアロマ」研究の最前線
    • 必要な基礎知識~基礎研究vs.売れるモノ創り研究vs.売れるコト創り研究
    • 製品=商品ではありません!
  8. 「香りアロマ」商品の最前線
    • 必要な基礎情報
    • そもそもマーケティングの基礎はおさえていますか?
  9. 「香りアロマ」はアート?サイエンス?ビジネス?
  10. 「香りアロマ」ビジネスがなぜ難しいのか?
    • 口出しできるビジネスパーソンに求められるもの
    • 担当人材トレ – ニングのカリキュラムとは
  11. 「香りアロマ」とAIの将来性~SFと実生活の創造性

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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