社会の進化に伴い、統計学の環境が大きく変化しています。データサイズが大きくなっているのはもとより、データ解析の方法が多様化してきており、データマイニングや機械学習のような新しい手法が求められるようになってきています。なかでも、活発に研究されている代表的な方法の一つが、決定木アルゴリズムによる分析法です。これは、応答に対する何等かの基準で応答に関与する説明変数を再帰的に分割しながらモデルを構築する統計的方法です。データに潜む要因構造があたかも「木」のように視覚的に表現されるためこのように言われています。とりわけCART (Classification and Regression Tree) 法は、現在数多くの統計パッケージに実装されており、医学・環境科学・計量経済学・認知心理学といった様々の分野で応用例が報告されています。さらにCART法の長所を保持しながら アンサンブル学習法を介して、より強力な予測精度をもつ手法 (Bagging法、RandomForest法など) が多数開発されてきています。 今回のセミナーでは、決定木分析の基礎知識を先ずはCARTを中心に習熟し、次いでCART法のアルゴリズムを踏襲し発展させた様々な手法について知識を深めます。さらに、セミナーでは実際にRを使用した解析を実演し、実務にすぐに応用できるように導きます。