第1部 「官能評価と機器分析を用いたにおいの評価・数値化」
(2018年3月19日 10:30~13:30)
商品の開発から品質管理において必要とされる官能評価手法を目的に合わせて説明する。特に、パネルを構築する上での選抜プロセス、トレーニングは重要なテーマである。また、商品の特性を定量的に測るために有用なQDA法のプロセス、解析に焦点をあて、最終的に消費者嗜好データとの統合で営業やマーケティングに活用できるマップづくりを紹介する。
一方、官能評価データを補完するための機器分析ツールとして、高感度・高速分離分析技術とケモメトリックス手法を組み合わせた複合臭の分析手法や、レトロネイザルアロマの測定のためのリアルタイム質量分析計の利用を提案する。
- はじめに
- 分析型官能評価パネルの構築とトレーニング
- パネリスト選抜の目的と基本的な考え方
- 選抜試験の手法
- GMPフレーバースタンダードの利用
- パネリスト間のスコアの変動とその解釈
- 商品開発に有用な官能評価手法
- QDA (定量的記述分析法)
- QDA法開発者が提唱する基本概念
- 用語開発の手順
- データ解析 (分散分析、主成分分析)
- Time – IntensityとTDS (Temporal dominance of Sensations)
- その他の手法 (NappingやCATAなど)
- 嗜好の評価とキードライバーの解析
- プリファレンスマッピング
- JARスケールとペナルティ分析
- TDL (Temporal Drivers of Liking)
- 官能評価を補完するためのにおい分析システム
- におい成分のクロマトグラムのフィンガープリント分析とにおいライブラリ
- レトロネイザルアロマの測定
- 分析データと官能評価との相関
- 品質管理やクレーム品の評価のための手法
- 貯蔵寿命の評価
- 定常的なロット管理
- クレーム品の分析
第2部. 「においを受容する仕組みを使った複合臭解析手法」
(2018年3月19日 13:45~16:15)
様々な素材のにおいは、多くのにおい成分から構成されている。どのような成分から構成されているかは、現在、GC – MS分析技術の進歩によってかなり容易に知ることができる。
しかし、含有成分のうちのどの成分が素材の香気に重要な寄与をしているのかを決めることは、容易ではない。
一方、ここ十数年の間に、においの受容の仕組みについて多くの知見が得られている。この知見を、GC – MSの解析データと結びつけることで、新たな視点からの素材のにおいの特徴の解析が可能となる。この手法について解説する。
- におい分子の形とにおい受容の仕組み
- におい分子は油?
- にお分子の形を作っている要素
- におい受容の仕組み
- におい受容の仕組みをどう考慮するか
- においの仕組みを考えた香気特性の解析方法とは
- 複合臭とそれを構成するニオイ成分との関係についての有機化学的考察 -
- 具体例: 乳香,白檀,スターアニス
- におい分子の形の類似性
- においの仕組みを考えたMSデータの解析の仕方
- においの仕組みを考えた香気特性の解析の応用
- ニオイ分子間の相互作用を考慮した複合臭の香気特性の検討方法と商品応用への提案 -
- パチュリの香気特性
- 緑茶の香気特性
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