第1部 原薬製造における洗浄プロセスの設計と残留許容値、およびダーティーホールドタイム (DHT) ・クリーンホールドタイム (CHT) 設定
(2018年2月23日 10:15~12:15)
設備洗浄を行うにあたっては、洗浄プロセスの設計、つまり「何を洗わなければならないのか (対象の設定) 」、「どこをどのように洗うのか (手段の設定) 」、「どこまで洗うのか (目標の設定) 」といった洗浄の戦略をしっかりと練り上げることが重要であり、これをおろそかにすると折角実施した洗浄バリデーションが全て無駄になってしまうばかりでなく、製品の品質に重大な影響を与える可能性がある。
本講演では、こうしたポリシーの構築を適切に行う上で考慮すべきポイントについて、日米欧3極のガイドラインを引用しながら、近年特に注目を集めている毒性学的残留許容値、あるいはDHT、CHTといった時間的ファクター等の考え方も交えつつ、原薬製造プロセスを例に解説する。
- 原薬製造における洗浄プロセスの設計と残留許容値
- どこまで洗うか (洗浄基準の決め方)
- 昨今の残留許容値の考え方の変化
- 従来用いられてきた基準と毒性学的基準の比較
- 許容基準に達しなかった場合の処置
- どこを洗うか
- 何を洗うか
- どのように洗うか
第2部 洗浄バリデーションにおける毒性に基づく残留許容値の設定
(2018年2月23日 13:00~15:00)
サンプルデータからPermitted Daily Exposure (PDE) を求め,さらに洗浄バリデーションの残留許容値まで算出することを実践します。
洗浄バリデーションを始め,ほとんどの不純物管理に共通する考え方であるPDEについて理解を深めていただきます。
- PDE
- PDE とは
- 基本的な算出方法
- 開発ステージに伴うPDE の変化
- TTC の適用
- 遺伝毒性の懸念がある残留物
- MAC 及び残留許容値
- PDE に基づくMAC 及び残留許容値設定方法
- PDE 以前の残留許容値設定方法
第3部 各国の規制当局による査察から学ぶ 洗浄バリデーションに関する指摘事項とその対策
(2018年2月23日 15:10~17:10)
査察は、医薬品がGMPに従って製造されていることを消費者に代わって確認する場であり、またどのような問題があるのか気づく場となっている。こうした査察において、洗浄バリデーションに関してどのような質問を受けるのか、どのような資料を準備し、またどのように答えるべきか、どんな指摘を受けやすいのかについて、演者の経験をもとに紹介する。
各国の規制文書が洗浄バリデーション実施において求めていることを理解し、それに対してどのような対応をとっておくべきか、また査察の手順や質問されやすい項目、指摘を受けやすい事項、準備すべき文書や作成上のポイントなどを理解する。
- 査察は何のために行われるのか
- 査察で目的・確認したいこととは何か
- 査察で指摘されやすい項目とは何か
- 査察のいつ、どのくらいの頻度であるか
- 無通告査察とは何か
- 規制文書が求めている洗浄バリデーションの内容
- 日本の規制文書における洗浄バリデーション
- FDAの規制文書における洗浄バリデーション
- FDA Process Validationガイダンスに見る洗浄バリデーション
- 欧州の規制文書における洗浄バリデーション
- その他 (PIC/SのGMP文書)
- 洗浄バリデーション実施において必要となる文書
- バリデーションマスタープランとは何か
- バリデーション実施計画書・報告書作成上の留意点
- マスターバッチレコード作成上の留意点
- 査察における確認のプロセス
- 査察はどのような手順で進むのか
- 査察における洗浄バリデーションに関する指摘事項の例
- 査察官への回答の仕方と指摘を受けた時の対応
- 査察から何を学ぶか
- 査察で確認される洗浄バリデーションのポイント
- 洗浄バリデーションの戦略
- 残留を評価する対象
- 評価対象として何を設定すべきか
- 評価方法 (分析方法) をどうすべきか
- 残留基準値の考え方
- Fourmanらの方法
- 毒性に基づいた設定方法
- DHT、CHTの設定方法とその考え方
- ワーストケースアプローチとは何か
- 再バリデーションの考え方
- 実施者の適格性をどう担保するか
- 逸脱・変更管理への対応
- その他
- まとめ