本セミナーでは、樹脂の光学特性向上について基礎から開発し、屈折率と透明性を両立させる手法について詳解いたします。
(2018年3月16日 10:30〜12:00)
PMMA、PCや環状ポリオレフィン樹脂 (COP、COC) などの透明樹脂はプラスチックレンズ、液晶ディスプレイ、光ディスク、光ファイバーなど包装、光学、光通信分野で広く使われている。また、光学機器のデジタル化の急速な進展により、高屈折率、高アッベ数、低複屈折などより高い特性をもった高機能な光学材料が求められている。 本講義では、高機能透明材料開発のための透明樹脂の概要、分子設計や反射、吸収、散乱、屈折、光学散乱などの光学特性の基礎および透明性や高屈折率化など高機能化のための特性制御技術について実務に適した内容で分かりやすく解説する。 本講義で、①透明樹脂の分子設計と概要、②光学特性の概要と制御法、③高・低屈折率樹脂の分子設計と制御法、④無機フィラーの複合 (ハイブリッド) 化による屈折率制御などの知識や技術が習得できます。
- 分散無機ナノ粒子の配列規則性が複合材料の特性にどのような影響をもたらすのか? -
(2018年3月16日 12:45〜14:15)
ナノサイズの無機粒子との複合化による透明樹脂の屈折率制御では、樹脂の透明性の悪化を引き起こす無機ナノ粒子の凝集を防止する目的で、シランカップリング処理等のナノ粒子の表面改質が施されることが一般的である。しかし、改質剤の使用が得られる複合材料の光学特性に悪影響を及ぼすことが懸念される。 本セミナーでは、シランカップリング剤を使用しない無機/アクリル樹脂系透明複合材料の調製技術として、無機粒子のナノ分散の実現という現行技術の課題解決にとどまらず、樹脂中での分散無機ナノ粒子の規則配列の達成を可能とするワンランクレベルアップした微粒子集積法による複合化技術について紹介する。 この技術により調製される複合材料の透明性・屈折率や導電性粒子との複合材料における電気伝導性といった諸特性が、無機粒子の配合率によりどう変化するかという従来の複合材料の議論に加え、これまでの研究開発で全く注目されず未検討であったナノスケールでの粒子の配列規則性を新たな光学材料としての特性の評価軸とした結果についても、可能な限り多くの事例を紹介しながらわかりやすく解説する。
(2018年3月16日 14:30〜16:00)
近年、スマートフォンやフレキシブルディスプレイの登場により、柔軟な高分子を用いた光学材料の物性制御や機能性向上が求められている。特に、視野角や色むら等の問題を解決するためには、光学フィルムの複屈折やその波長依存性が重要である。 本講座では、高分子材料の複屈折の発現機構について理解していただき、高分子ブレンドや添加剤、成形方法、相分離現象を利用した複屈折制御事例を紹介する。