第1部 デュアル硬化反応、チオール・エン反応を利用した不透明材料、影の部分の硬化
(2018年3月16日 10:00〜11:30)
- イソシアネートモノマーのデュアル硬化
- イソシアネートモノマーの構造と諸特性
- ポリマー側鎖に付加した場合の諸特性
- ブロックイソシアネートモノマーによる付加反応
- イソシアネートモノマーの単独重合体
- イソシアネートモノマーの硬化膜形成用途への応用
- チオール・エン反応を利用したUV硬化技術と光を通さない材料の硬化
- チオール化合物の複雑な反応機構
- チオール・エン反応のUV硬化挙動
- チオール・エン反応におけるモノマー構造による挙動
- 各種特性の紹介
- チオールとエポキシとの反応の利用
第2部 分子増幅を駆使した影部分のUV硬化
(2018年3月16日 12:10〜13:40)
光化学反応は原則として「1光子=1化学反応」であるが、複数の化学反応を連結して最初の光反応を増幅することにより、高感度化や影部分のUV硬化が可能となる。これらの新規な感光システムについて述べる。
- UV硬化の基礎
- 光塩基発生剤の特性とUV硬化への応用
- 第1級・第2級アミン発生系
- 第3級アミン・強塩基発生系
- カスケード式化学で構築する高感度UV硬化材料
- 酸増殖剤の開発と応用
- 塩基増殖剤の開発と応用
- 連鎖硬化剤の開発と応用
- 光塩基発生剤を利用したレドックス開始重合系
- まとめ
第3部 フィラーを含むUV硬化樹脂の開発と応用
(2018年3月16日 13:50〜15:20)
UV硬化樹脂にフィラーを組み込むことで発現しがちな脆弱性、低硬化性など様々な課題を解決するためにはベースとなるUV樹脂をしっかり設計する必要があります。本講座では30年余りのUV樹脂設計の経験を通して得た様々なUV樹脂の性質や役割、機能を、四方山話やコラムをふんだんに取り入れて具体的にわかりやすく解説いたします。
無溶剤型UV硬化樹脂をベースとし、機能性フィラーを組み込んだ複合材料の設計に際し、強度アップや機能を最大限に発揮させるため、UV樹脂をはじめとする構成成分の性質や役割、機能を理解し、効率的に活用する技術が習得できます。
- はじめに
- モノマーデパートから見たUV樹脂開発の歩み
- UV硬化は万能?
- なぜ、いまフィラーを含むUV樹脂が必要か
- UV樹脂の構成成分 ~各種構成成分の働き、種類、特長~
- ベースレジン:ベースが組成物の物性を左右する
- 架橋剤:構造はよく似ていても少しの違いで働きは全く異なってしまう
- モノマー:希釈剤、ただ薄めるだけではない
- 光重合開始剤:組み合わせで全く変わる硬化性
- フィラー:無機、カーボン・・・。如何に組み込むか
- 添加剤:添加剤でフィラーは変わる
- 樹脂とフィラーの働き – 樹脂とフィラーの組み合わせ方 -
- 樹脂の働き
- フィラーを入れても大丈夫:ウレタンを使いこなす
- 熱対策に:エポキシを使いこなす
- より柔らかく
- フィラーの働き
- 意匠性 隠す、漆黒
- 電気特性 電気を流す、埃をとる、静電気をとる
- 熱特性 熱を伝える、遮る
- 光学特性光を伝える、明るく見せる高屈折材料
- 具体例 – これまでに開発した機能性複合材料 -
- 隠蔽塗料
- 帯電防止ハードコート
- 導電性封止剤
- まとめ
第4部 影部や黒色着色樹脂のUV硬化と製品開発事例
(2018年3月16日 15:30〜17:00)
光硬化型接着剤において、光の照射できない影部を硬化させるためには、光硬化とは別に硬化機構を接着剤にもたせることが一般的で、その方法の中いくつかを実際の製品例とともに紹介する。また、黒色着色も同様に光が届かないために硬化させることが困難であるが、光の照射のみで硬化させることができる方法について実際の製品例ともに紹介する。
- 光硬化型接着剤の影部硬化方法の概要
- 光硬化+湿気硬化 (アクリル+ イソシアネート)
- 光硬化+湿気硬化 (アクリル+アルコキシシラン)
- 光アニオン重合を用いた影部硬化方法
- 光スイッチ
- 光瞬間接着剤
- 光照射のみで黒色着色樹脂を硬化させる方法
- 1mm以上の厚膜と遮光性の両立