本セミナーでは、バイオ医薬品・抗体医薬品において、品質の同等性が確保できる効率的なスケールアップについて詳解いたします
スケールアップとは医薬品の必要量の増加に伴って製造のスケールを上げることをいう。スケールアップの必要性が発生するのは、開発段階および市販後の増産対応の時である。市販後の増産は通常は承認製造のスケールを変更せずに、製造回数を増やすことで需要の増加に対応する。承認又は認証を受けた医薬品について何らかの変更を行う場合に、一部変更承認申請、または軽微変更届の手続きが必要となるが、もし製造のスケールアップを行う必要が生じた場合は、日本においては一部変更承認申請の手続となる。特にバイオ医薬品の製造においては最終品質との相関が取れる製造パラメータが未知であることが多く、スケールを変更することも目標品質に影響を与える可能性があるため、原則一部変更承認申請の対象である。承認後の商業生産規模を上げるためのスケールアップは、承認時点で、有効性、安全性および安定性に関する情報が蓄積されており、スケールを上げても目標品質の同等性を証明することは比較的容易である。 本セミナーでは、製造や品質試験の方法や条件が確定していない開発段階においてスケールアップを行う場合に、品質管理上、どのような点に気を付けるべきかについて解説する。