分析法バリデーションの理解の障壁の1つは,統計学の理解への障壁と思われる。本講演では,分析法バリデーションに必要な統計学を出来るだけ簡単に,直感的な理解をしていただこうと思う。また、バリデーションで用いる統計の具体例やバリデーション結果から何がわかるのか等についても、初心者がミスしやすい事例とともに紹介する。
- 分析法バリデーションの概要
- 何のためにするの?
- 前提は?
- ガイドラインについて
- 分析能パラメータに関連する用語の理解
- 統計学の表記について
- 母集団と標本の表記について – これが重要 -
- かたよりとバラツキ
- 期待値 (=平均値) と分散
- 期待値とは平均値である
- 分布と分散について
- (不偏) 標準偏差はなぜ (n – 1) か? – 不偏が重要 -
- 回帰分析
- 直線の近似
- 最小2乗法 – 高校数学で十分 -
- 近似の良さを評価する
- 正規分布
- 正規分布とは – 分布の王道 -
- 正規分布の規格化:標準正規分布
- 正規分布の面積は確率である
- 標本の統計学
- 平均の平均値? – この概念が重要! -
- 母集団と標本の関係
- 標本分散と普遍分散
- 大数の法則
- 中心極限定理 – これが推定、検定の理論的支柱 -
- 区間推定と仮説検定
- 標本平均から母平均を推定する
- 分析法バリデーションにおける検出限界と定量限界の推定
- 正規分布から派生する分布
- t分布
- χ2分布
- F分布から分散分析へ
- 初心者が起こしやすいミスの紹介
- 統計記号の誤解
- 分離度の計算