打錠障害は、製品の開発段階で、頻度的にも量的にも経験的にも検証レベルの低い時期ほど、発生頻度は高いが、実生産段階では、開発段階よりも格段に多くの検証を重ねてきており、発生頻度は低下する。それにもかかわらず、実生産において打錠障害による逸脱が発生した場合には、技術的にも、製品供給の観点からも極めて重篤な事態と受け取られなければならない。
スティッキング・キャッピングなど量産段階で遭遇する逸脱について、その原因と対策を、打錠用末の粉体特性に着目し、解説する。
- 製錠の意義
- 錠剤に求められる外観と性状
- 打錠障害の説明
- sticking
- picking
- capping
- lamination
- chipping
- mottling など
- 打錠障害が打錠用粉粒体に帰されるべき項目
~打錠障害を起こさないformulationと打錠末の製造方法~
- 打錠用粉粒体の組成・分量
- 打錠用顆粒の物性
- 粉粒体の流動性
- 粉粒体の付着性
- 粉粒体の結合性
- 粉体層の圧力伝達性
- 圧縮成形性
- 内部摩擦力
- 塑性変形性
- 圧縮成形物の特性
- hardnessとbrittleness。表面粗度
- スティッキングの原因と考えられる要因の説明
- 打錠用顆粒物性:高い付着性
- 金型の特徴
- 刻印のデザイン
- 打錠圧力不足
- Toolingの鏡面度/形状/刻印/面形状/割線形状
- キャッピングの原因と考えられる要因の説明
- 打錠用顆粒物性:低い結合力
- 応力分布
- 弾性回復
- 残留壁面圧
- 臼孔形状
- 脱気
- 打錠圧力過多
- Toolingの形状/面形状/割線形状
- 対策
- 打錠条件のセッティング時のroutine
- Toolingの表面処理