次世代と呼ばれるロボティクスやIoT、ヴァーチャルリアリティなどの分野では、人間の五感に相当するセンサは必要不可欠なものです。また、近年では製品に高級感や上質感を付与するための質感のデザインが注目されるようになってきおり、とくに、種々の触感表現手法の発達により、触覚デザインを設計に取り入れる動きが広まっています。現在、質感の評価は人間による感性に頼るものが中心ですが、再現性や客観性、伝達性の面で課題があり、数値的・定量的な質感の評価基準の構築が求められており、それを可能とする五感センシングが必要とされています。
本セミナーでは、このような人間の感覚の代替となる五感センシングについて、現状と展望を解説し、さらに講師らが取り組んでいるMEMS技術を応用した 触覚センシング技術を紹介します。
- 五感センシングが求められる背景
- 感性価値向上・評価の必要性
- 人間による感性評価と課題
- ロボティクス、IoT、バーチャルリアリティと感性計測
- 感性価値市場の現状と未来
- 五感センシング技術
- 人間の五感とその特徴
- センシング技術の基礎
- 視覚センシング
- 聴覚センシング
- 触覚センシング
- 味覚センシング
- 嗅覚センシング
- 動きや生体情報のセンシング
- より高次の感覚とその情報処理
- MEMS触覚センサによる感性的質感評価
- MEMS、マイクロマシンとは
- MEMSの特徴 (従来の機械との違い)
- MEMSの歴史と市場
- 身の回りのMEMSデバイス
- 様々な製品で活躍するMEMS
- スマートフォンとMEMS
- 期待されるMEMSデバイス
- MEMS構造の作製
- MEMSの材料
- フォトリソグラフィによるパターン転写技術
- 微細可動構造作製技術
- 光・ひずみ・温度複合MEMSセンサ
- 開発の背景
- センシングの原理
- 試作センサの概要と基礎特性
- 柔軟物把持や皮膚性状計測への応用
- MEMSセンサを用いた質感の評価
- 物体の質感とは?
- 従来の質感評価手法
- アクティブセンシングによる質感計測
- 触り心地 (押し心地、柔らかさ、すべり感等) の評価
- 温冷感の評価
- 今後の展望