第1部 原薬スケールアップにおけるパラメータの設定方法、許容値幅の考え方
~逸脱対応、変更管理を関連づけたパラメータ設定許容値幅設定~
(2018年1月31日 10:30~13:00)
原薬のスケールアップ検討は医薬品の開発では避けられない部分であり、必ず変更が伴う部分である。検討の最終目的は商用生産にあり、商用生産が始まればその後の製法変更は登録情報の変更が伴うため困難となるケースが多く、製法変更はできる限り避けたい部分である。このような問題を避けるため、スケールアップ前の小実験で商用生産を想定した種々の確認実験を行いしっかりしたパラメータを設定する必要がある。
本セミナーでは各開発段階の変更事例を説明し、さらに実例をもとに変更の考え方、個々のプロセスの考え方、スケールアップ実験のポイント、パラメータの設定の仕方、許容値幅の考え方を説明する。
- 医薬品 (原薬) の開発とスケールアップ
- 変更と変更管理について
- 変更管理に関する法的規制
- 承認事項の軽微な変更の範囲
- 変更管理の手順
- 原薬製造プロセスのパラメータと、逸脱、変更の関係
- 原薬の重要品質特性について
- 原薬の品質特性に影響を与えるおそれのあるプロセスとパラメータの確認と注意点
- 晶析工程、乾燥工程、その他 (温度、時間、pH、撹拌効率)
- パラメータの設定の仕方、設定するための効率的な実験方法
- パラメータの許容値幅の考え方、設定、管理方法 (実例をもとに)
- 開発段階に応じた変更管理の考え方 (実際の経験を例に)
- 開発初期 (開発化合物の探索~前臨床試験用原薬の製造)
- 最初のスケールアップで確認される問題点。
- 製法、パラメータの変更、同等性の考え方。
- 結晶多形、不純物プロファイル等の考え方について
- 臨床試験段階 (臨床試験用原薬の製造)
- 不純物プロファイルの考え方、その対応策
- 結晶多形の考え方
- 製造設備の変更と原薬の同等性評価
- 原薬、中間体製造の委託先の変更に伴う問題点、注意すべきポイント
- 申請段階 (フェーズⅢ (後期フェーズⅡ) ~プロセスバリデーション~商用生産開始)
- 製造設備の変更と原薬の同等性評価
- 商用生産開始後
- コストダウン、原料メーカーの変更
- 製造を繰り返すことで見えてくる新たな問題点、課題。
- 逸脱について
- 逸脱の事例 (自然災害、人為的なミス等) とその対応策
- 根本原因の調査、是正措置、予防措置
- その他
第2部 『医薬品・原薬製造プロセスにおけるフロー合成技術でのスケールアップ実用化とGMPレベルでの生産の考え方』
(2018年1月31日 13:50~16:20)
医薬品原薬合成におけるフロー合成技術の活用について本講座で述べる。フロー合成が適した反応、プロセスを解説するとともに、AIを活用した反応ルート、条件の最適化についても言及する。GMPレベルで実施されている連続生産の事例を紹介するとともに、連続生産に対するPMDAの考え方も解説する。
- 医薬品原薬合成におけるフロー合成の活用
- フロー合成による連続生産へのチャレンジ
- マルチパーパスのコンテナファクトリーの導入
- 危険反応・特殊反応に対する部分的な適用
- 連続生産に対するPMDAの考え方
- フロー合成技術による化学反応のスケールアップ
- フロー合成魏実を使った反応条件の自動検索法
- AIを活用した合成ルート・反応条件の自動検索へのチェレンジ
- フロー合成を取り巻く最新動向
- 国内の動向
- 世界の動き
- まとめ