(2018年1月23日 10:30〜12:00)
高分子絶縁材料には様々な目的でフィラーが充填され、コンポジットの形で用いられる場合が多い。コンポジットではフィラーが母材となる高分子に入ることだけでなく、フィラーと高分子との界面が材料内に入ることになり様々な特性に影響を及ぼすようになる。本講座ではコンポジット材料で生じる絶縁劣化現象およびその抑制効果について解説する。
(2018年1月23日 12:50〜14:20)
リチウムイオン二次電池は、エネルギー貯蔵デバイスとして大きく発展している。これを支えている重要技術が電極 – 電解液界面の安定化技術であり、これに資するものが、正・負極の電極活物質の表面改質である。 この表面改質によれば、電極活物質材料粒子の表面のみの僅かな改質で粒子全体の特性を改善でき、弊害が少なく、大きな効果を得ることができ、きわめて有用な技術である。そして、リチウムイオン二次電池の劣化改善、性能向上を進めるにおいて、有用不可欠な重要技術である。本講では、正・負極の各活物質について、それぞれの課題とそれに対応した表面改質技術について解説する。
(2018年1月23日 14:30〜16:00)
今後、環境の新規制によって世界的にガソリン車から電気自動車 (EV) へのシフトの加速が予想される。EVのインバータ駆動モータの開発では、小形軽量化とともに、高電圧化による高回転・高出力化が進められている。過酷な使用条件下における新エネルギー車の高い安全性の確保のためには、モータの絶縁性能の確保が要求される。しかし、インバータ駆動モータ特有のサージと呼ばれる立ち上がりの急峻なインパルス電圧により部分放電が発生し、それがモータ絶縁システムを劣化・破壊を引き起こす。そのため、その対策と評価技術が重要な課題となっている。 インバータサージによる部分放電を発生させないことが最も重要であるが、様々な環境要因 (気圧、温度、湿度) によって部分放電が発生する電圧が大きくばらつく。この様な複雑な部分放電を良く理解し、その上で有効な対策を取ることが求められる。特にEVモータでは、部分放電が発生してもすぐには事故にならないようにナノコンポジット技術を使った耐サージ巻線がモータに使用されている。その優れた特性および実機モータを使った評価試験を例にとり、インパルス部分放電計測の方法についてわかりやすく紹介する。