高分子絶縁材料の劣化・破壊メカニズムと信頼性評価技術

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プログラム

第1部 コンポジット絶縁材料の劣化機構とその抑制技術

(2018年1月23日 10:30〜12:00)

 高分子絶縁材料には様々な目的でフィラーが充填され、コンポジットの形で用いられる場合が多い。コンポジットではフィラーが母材となる高分子に入ることだけでなく、フィラーと高分子との界面が材料内に入ることになり様々な特性に影響を及ぼすようになる。本講座ではコンポジット材料で生じる絶縁劣化現象およびその抑制効果について解説する。

  1. はじめに
  2. 高分子材料・コンポジット材料での劣化現象
  3. 絶縁材料における電気的劣化現象
    1. 部分放電
    2. トリーイング
    3. V – t特性
  4. 高分子電気絶縁材料に対するフィラーの効果
    1. フィラーの効果
    2. フィラー/高分子界面の影響
    3. フィラーによるトリー劣化抑制

第2部 絶縁性と熱伝導性を兼ね備える繊維複合材料とその省エネ技術への応用

(2018年1月23日 12:50〜14:20)

 リチウムイオン二次電池は、エネルギー貯蔵デバイスとして大きく発展している。これを支えている重要技術が電極 – 電解液界面の安定化技術であり、これに資するものが、正・負極の電極活物質の表面改質である。  この表面改質によれば、電極活物質材料粒子の表面のみの僅かな改質で粒子全体の特性を改善でき、弊害が少なく、大きな効果を得ることができ、きわめて有用な技術である。そして、リチウムイオン二次電池の劣化改善、性能向上を進めるにおいて、有用不可欠な重要技術である。本講では、正・負極の各活物質について、それぞれの課題とそれに対応した表面改質技術について解説する。

  1. 熱伝導性材料の基礎、絶縁性との両立についての考え方
    1. 主な熱伝導性材料の種類と、材料ごとの熱伝導率の比較
    2. ナゼ? 熱伝導性と絶縁性の両立が難しいのか?
  2. 分子鎖の「折畳み構造」と「伸び切り鎖構造」による樹脂中の熱の伝播、熱伝導率の違い
  3. 高強度ポリエチレン繊維強化複合材料 (DFRP) の合成と性質
    1. 使用するマトリックス樹脂、強化繊維樹脂
    2. 複合化、結晶化
    3. 高熱伝導性、熱膨張係数
  4. 高強度ポリエチレン繊維強化複合材料とガラス繊維強化複合材料 (GFRP) との電気的特性の比較
    1. 誘電率
    2. 電波透過性
    3. 電気絶縁耐性
    4. 沿面放電の繰り返しに対する絶縁破壊電圧の低下度
  5. 電気絶縁性を有する高熱伝導材料の応用例、可能性
    1. 省エネ機器
    2. 冷感商品
    3. その他

第3部 ナノコンポジット絶縁材料の絶縁劣化特性の評価技術

(2018年1月23日 14:30〜16:00)

 今後、環境の新規制によって世界的にガソリン車から電気自動車 (EV) へのシフトの加速が予想される。EVのインバータ駆動モータの開発では、小形軽量化とともに、高電圧化による高回転・高出力化が進められている。過酷な使用条件下における新エネルギー車の高い安全性の確保のためには、モータの絶縁性能の確保が要求される。しかし、インバータ駆動モータ特有のサージと呼ばれる立ち上がりの急峻なインパルス電圧により部分放電が発生し、それがモータ絶縁システムを劣化・破壊を引き起こす。そのため、その対策と評価技術が重要な課題となっている。  インバータサージによる部分放電を発生させないことが最も重要であるが、様々な環境要因 (気圧、温度、湿度) によって部分放電が発生する電圧が大きくばらつく。この様な複雑な部分放電を良く理解し、その上で有効な対策を取ることが求められる。特にEVモータでは、部分放電が発生してもすぐには事故にならないようにナノコンポジット技術を使った耐サージ巻線がモータに使用されている。その優れた特性および実機モータを使った評価試験を例にとり、インパルス部分放電計測の方法についてわかりやすく紹介する。

  1. はじめに
    1. パワエレ高速スイッチングに起因する絶縁問題
    2. ナノコンポジット技術を使った絶縁対策
  2. 部分放電とナノコンポジット絶縁材料の基礎
    1. インパルス部分放電とその予測方法
    2. 絶縁材料の劣化・破壊のメカニズム
    3. ナノコンポジット絶縁材料の優れた耐サージ特性
  3. インパルスによる絶縁材料の性能評価方法
    1. 急峻なサージを模擬するインパルス電源
    2. 各種インパルス部分放電測定器
  4. モータのインパルス絶縁評価試験の実例
    1. IEC国際規格による評価方法
    2. 周囲環境に対する部分放電開始電圧特性
    3. 部分放電はどこで起きているのか?
  5. まとめと今後の課題

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