第1部 高分子材料設計におけるモルフォロジーの基礎と制御の実際
(2018年1月30日 10:00〜13:45)
自動車用材料、家電製品・IT機器用材料の用途分野ではマルチマテリアル化の動向が顕著になり、新たな軽量化・機能化複合材料が求められている。高分子材料では、既存の原材料・素材を異種材料と複合化して、この要請に応える開発が進められているが、中でもミクロ・ナノの両スケールでモルフォロジーを制御することにより、新たな機能を発現させる技術が急進展している。本講座では、これらの技術について、基礎から実用までの考え方を実例を踏まえて解説する。
- 高分子材料のモルフォロジーとは?
- ミクロ構造とナノ構造との違い
- モルフォロジーの評価 (観察) はどのように行うか?
- モルフォロジーによって材料特性はどのように変化するか?
- モルフォロジーの形成理論について
- ポリマーの混合における溶解性とは? (相溶性と混和性)
- ポリマーの相互溶解性を決める因子 (相分離と相図)
- ポリマーの相溶性と ポリマーアロイの性質
- ポリマー界面の熱力学とモルフォロジー制御
- 非相溶系ポリマーアロイの界面構造
- 非相溶系ポリマーアロイの分散粒子サイズ
- モルフォロジーのコントロール
- 相容化剤 (相溶化剤) について
- リアクティブプロセッシングの考え方
- 動的架橋とは?
- ポリマー合成設計およびアロイ化によるナノ構造の形成
- モルフォロジーを制御した高分子複合材料設計の実例
- エチレン系樹脂の接着性能の向上
- スチレン系樹脂の耐衝撃強度の向上
- エンプラ系樹脂の耐久性の向上
- 新たな透明性・柔軟性に優れた樹脂材料の開発
- 「第四世代ポリマーアロイ」材料の実例
第2部 SPMによる高分子材料表面のモルフォロジー評価
(2018年1月30日 12:45〜14:15)
- はじめに
- 走査型プローブ顕微鏡 (SPM) について
- SPMの装置構成
- カンチレバー
- 試料前処理
- SPMによる力学物性評価
- マイクロ粘弾性顕微鏡 (VE-AFM)
- 測定原理
- 測定事例
- 吸着力顕微鏡 (adhesion mode)
- 測定原理
- 測定事例
- 共振モード位相測定 (DFM/Phase Mode)
- 温度制御下でのモルフォロジー観察
- まとめ
第3部 ナノ触診技術による高分子表面・界面の解析技術
(2018年1月30日 15:30〜16:50)
- 原子間力顕微鏡 (AFM) の基礎
- フォースカーブ測定
- コンタクトモードの原理
- タッピングモードの原理
- 位相測定の原理と問題点
- AFMを用いた物性計測の基礎
- 弾性理論の基礎知識
- AFM弾性計測の原理
- AFMを用いた物性計測の応用
- ゴムの伸長メカニズムの解明
- フィラー充填ゴムの補強メカニズム
- ゴムの劣化解析
- 高分子アロイ
- 相互拡散現象解析
- ブロックコポリマーへの応用