第1部. 生体ビッグデータ・AI (とくにディープラーニング) を用いた創薬・ドラッグリポジショニングの実際
~ターゲットや疾患に関するビッグデータの活用、臨床データの創薬活用~
(2018年1月30日 10:30~15:30)
近年、バイオテクノロジーの急速な発展を受けて、医療・創薬分野も「ビッグデータ」時代を迎えた。これに伴い、生体ビッグデータに基づいて、機械学習やディープラーニングなどの人工知能を用いて、生体ビッグデータが持つ「創薬力」を抽出し、疾患の薬剤標的分子の探索、標的分子へ化合物のバーチャルスクリーニングや既存薬のドラッグリポジショニング (DR) を目指す「AI創薬・DR」方法論が発展している。
本講演ではAI創薬・DRについて実例をまじえて体系的に述べる。
- 医療・創薬におけるビッグデータの特徴と意義
- 新しい医療ビッグデータの特性としての「新NP問題」
- 新しい医療ビッグデータの収集の目的-個別性
- 新しい創薬ビッグデータ:生命情報ビッグデータベース
- ビッグデータやAIを活用した計算創薬/DRの基礎理論
- AIの歴史とDeep Learningの革新的な特徴
- Deep Learningの革命性:「教師なし」学習と特徴的表現の自己学習
- 多層deep auto-encoderの構成と「潜在状態空間」
- PANDEのMulti-Taskネットワーク
- AI創薬の枠組みとしての「多階層創薬ネットワーク」
- 「生体分子プロファイル型計算創薬・DR」における疾患と薬剤の相互作用のとらえ方
- 生体分子ネットワーク準拠計算創薬・DRの「3層ネットワークモデル」
- 疾患、薬剤、生体分子の3層ネットワーク間の関連性と方法分類
- 計算創薬/DRの「非学習的」アプローチ:「ビッグデータ創薬・DR」
- 「疾患-薬剤ネットワーク」相互関連型「現象論的」アプローチ
- 疾患・薬剤遺伝子発現プロファイル直接比較法
- 疾患・薬剤ネットワークの相互射影解析
- 生体分子ネットワーク準拠型「機構論的」アプローチ
- タンパク質相互作用ネットワークにおける疾患関連遺伝子と標的との相互作用の評価法
- Sunらのランダム歩行による有効性予測
- Guney・Barabasiらの近接距離解析による有効性評価
- 計算創薬・DRの「学習的」アプローチ:「AI創薬・DR」
- 「AI創薬」の国際的な研究状況
- Virtual Screeningへの人工知能・機械学習の応用
- Ligand-based AI-Virtual Screening
- KaggleとDahlの方法
- Pandeのマルチタスク法
- 奥野のCGBVS法:SVM法とDeep Learning法
- Structure-based AI-Virtual Screening
- 化合物の人工知能を用いた自動設計
- Gomez-BombarelliのSMILE表示とdeep encoderを用いた方法
- 創薬のシステム薬理学への人工知能的アプローチ
- 標的分子探索に人工知能を用いた方法
- Hase-Tanakaの多層Deep AutoEncoderを用いた標的分子探索法
- Pharm-AIシステムとアルツハイマー病での標的分子探索と検証
- 「AI創薬」研究の将来的方向
- 「AI創薬学」の体系的構築
- 「AI創薬」システムのパイプライン化
第2部. 調査員の目から見たAI創薬とドラッグリポジショニングの現状と将来
(2018年1月30日 15:45~17:00)
医療分野におけるビッグデータ並びにAIの利活用の最新動向について専門家にお話を伺い、創薬並びに個別化医療・先制医療への貢献について調査する活動に参加した。その経験を踏まえた「AI創薬とドラッグリポジショニングの現状と将来」について私見を紹介したい。
- AIの医療への応用
- AIについて
- AIの特技 (1) ・画像解析
- AIの特技 (2) ・データマイニング
- ビッグデータからの創薬
- 遺伝子解析からの創薬・ドラッグリポジショニング
- オミックス技術からの創薬・ドラッグリポジショニング
- 情報科学を使った創薬の将来像
- 身近なAIへの期待
- AI時代に活躍できる人材像