炭素繊維強化プラスチック (CFRP) に関して、近年は特に自動車部材等への一般産業分野に展開するための実用化研究が多く見受けられます。ポイントとして、炭素繊維の低価格化、CFRPの高速成形技術の確立、CFRPのリサイクル技術開発が挙げられます。
本講演では、まずは炭素繊維、CFRPの基礎をしっかり解説します。種々の炭素繊維の物性の違い、母材樹脂の特徴から炭素繊維・CFRPの特徴を知るための物性評価手法も紹介します。また、関連技術開発に関して、特に「材料」の観点から海外・国内における動向の紹介と実用化研究について解説をします。
- 複合材料とは?
- 複合材料の歴史
- 繊維強化プラスチック (FRP) とは何か?
- 炭素繊維の特徴と製造方法
- 炭素繊維開発の歴史
- 市販炭素繊維の現状と製造方法 ~PAN系とピッチ系~
- 炭素繊維はなぜ強いのか? ~構造と機械特性~
- 炭素繊維の構造・物性評価手法
- なぜ炭素繊維の物性評価が必要か?
- 規格化されている評価手法の紹介
- 炭素繊維の構造評価
- 炭素繊維の新しい物性評価手法の紹介
- CFRP・CFRTPの設計と成形技術
- マトリクス (母材) に用いられる樹脂
- CFRPの設計 (複合則と積層) ,中間基材と成形法
- 炭素繊維の表面処理と炭素繊維 – 樹脂間の界面評価
- CFRPの評価手法
- CFRPとCFRTP
- 炭素繊維・CFRP (CFRTP) 開発の動向
- 炭素繊維の低価格化への挑戦
- 熱可塑樹脂をマトリクスとしたCFRTPの難しさ
- 炭素繊維・CFRTPのリサイクル技術開発の必要性
- 国内外における関連研究実施体制
- 炭素繊維・CFRP (CFRTP) の研究紹介
- 炭素繊維前駆体開発
- 炭素繊維 – 熱可塑樹脂の界面制御
- CFRTPに使用する熱可塑樹脂の開発
- 種々リサイクル手法から回収されるリサイクル炭素繊維の特徴
- まとめ 〜未来の展望〜