本セミナーでは、原薬製造時に必要なラボでのデータ取り・実験と、実生産時のスケールアップ及びトラブル事例について解説いたします。
(2018年01月29日 10:30~12:30)
医薬品の開発初期には、試験用原薬の供給スピードが求められる。製造プロセスが十分に検討されていない段階で、場合によってはパイロットプラントスケールでの製造が必要となる。ラボでのプロセス化学研究からパイロットプラントでの原薬製造にスケールアップするために、どのようなデータ取り・実験が必要かを解説する。 スケールアップで最も重視する必要があるのが、反応危険性である。スケールアップによる事故は、作業者の生命を脅かすだけでなく、近隣住民にも被害を与え、会社の信用問題にも発展する可能性がある。ラボからパイロットプラント製造実施までにどのように反応危険性を評価してプロセスに反映するかも概説する。 演者が経験した実例をまじえて紹介するので、面白く聞けるのではないかと思う。
(2018年1月29日 13:15~15:15)
原薬の開発スピードアップに伴い、プラントスケールでの製造実績が少ないまま実生産プラントへの製造技術移管が進められるケースが増加している。その結果プロセス化学者はラボスケールでの合成法の構築に傾倒してしまい、スケール変更により発生する、原薬品質に影響を与える設備能力の変化 (スケール依存性因子) が起因となる異常を察知しその原因を究明することができなくなるリスクが生じている。 そこで本講演では、基本的なプロセス化学の役割や医薬品開発への関わり、品質の同等性保証の手順を再確認すると共に、代表的なスケール依存因子の紹介と、スケールアップ及びトラブル実例について報告する。