プラスチックやゴムなどの高分子材料をつかって所望の製品を得るには、流動・変形・温度場にある、高分子集合体や高分子マトリックス中に分散した粒子群がどのように構造化されていくのかを感覚的に理解しながら成形加工することが大切です。
高分子集合体の平均的な素描のイメージを膨らませるために高分子レオロジーを説明し、それを高分子成形加工に結びつけ、成形加工で高分子に何をしているかを考えるための基礎を説明します。
- 高分子レオロジーの世界観
- 弾性と粘性の本質
- 高分子性と緩和時間
- デボラ数やワイセンベルグ数など
- 高分子成形加工に関係するレオメトリーの基礎
- せん断変形、伸長変形
- 線形粘弾性とBoltzmannの重畳原理
- 動的線形粘弾性と緩和スペクトル
- 時間-温度換算則
- 代表的な緩和時間と弾性率の意味
- 法線応力差の発現
- 高分子溶融体の材料特性 (せん断流動特性、伸長流動特性) を読む
- 高分子成形加工における均質系場のレオロジー現象
- システム方程式
- 成形加工におけるせん断流れと伸長流れ
- 牽引流れと圧力流れ
- 高分子流体のせん断粘度測定
- せん断流れ場の法線応力差の影響
- 拡大・縮小流れ場の法線応力差の影響
- 自由表面を含む場の法線応力差の影響
- 高分子成形加工における不均質系場のレオロジー現象
- 温度場が影響する不均一性
- 法線応力・圧力場が影響する不均一性
- 粒子密度場が影響する不均一性
- 高分子成形加工のトラブルシューティングに向けて
- 流動・変形・温度履歴が残る成形加工について
- 界面表面から構造制御する成形加工について