本セミナーでは、真空断熱材の建材応用、断熱・遮熱性試験法、特に熱伝導率測定にスポットを当てて解説いたします。
熱伝導率や熱拡散率データへの要求は拡大する一方、熱学として全体を見渡すと意外なほど理解されていないようである。 本講演では材料工学の立場から、熱エネルギーと温度、比熱と熱伝導を中心に、物性の定義と実用上重要な機能値 (熱抵抗や熱容量など) の関連を基礎から平易に解説する。また、市販の装置を中心に測定法の原理と特徴を述べ、演者らが開発した温度波熱分析法を詳述し、実機でのデモを予定している。この方法は薄膜試料の測定が容易で、金属・ガラス・プラスチックの1mm以下の試料で、かつ大きさも1mm以下という特徴がある。 温度波測定法の測定結果について、多数の例を用いて解説する。主なものに、配向高分子フィルム・シリコンウエハ・炭素系複合材料・多層膜・接着剤・放熱ゴム・銀ペースト・鉛フリーハンダなどを取り上げる。また、発泡剤・粉体・液体などを簡便に測定できる温度波法 (振幅減衰法) についても詳述する。さらに、赤外カメラを用いた可視化熱分析法による新しい方法も紹介する。