本セミナーでは、乾燥・粉砕・造粒の基礎から解説し、乾燥・粉砕・造粒におけるトラブルの原因と対策、未然防止策、装置の選定方法・スケールアップについて詳解いたします。
あらゆる粉粒体プロセスは、「機能性粒子の創製」あるいは「粒子に機能を付与する」目的で計画される。 しかしながら工業界においては、固体粒子の相互作用力関係が刻々と変化し、総合的に材料物性が著しく変化する単位操作であり、なかなか数値計算でのシミュレーションも容易ではなく、過去の経験と実際にやってみて分かる現象がいまだに多い 最終製品に、「どのような機能を持たせたいか」により、採用すべき取り扱い原理は決まってくる。正しい「合目的製品」を得るには、この原理を使った機器/装置をプロセスとして採用し、システムを構築しなければならない。この判断を誤ると、粒子はえられても、製品が目的機能を発揮することができない場合がある。 本講習では「合目的」という観点から、それぞれの単位操作の現象と材料に対する影響を考察し、装置選定の考え方を示す。又発生している現象からどのようなパラメーターを使ってスケールアップしてゆくべきか、間違いの無いスケールアップの方法と実際を解説する。特に現場で起こりうる「粉・粒であるが為のトラブル」を分類し、原因を推測、対策をどのようなタイミングで実行してゆくべきか、「エスケープルート」の考え方で説明する。 特にコストパフォーマンスに優れたトラブル対策は、これからの機器運営の効率化と共に、重要な課題である。若いエンジニアが装置を運転する際に経験する「メンテナンスの必要性」に関しても、エスケープルート的トラブル対策は、大きな影響がある。 セミナーの中では「アクリル製小型粉体挙動実演モデル」シリーズを使って、処理中に原料がどのように装置の中で運動しているかを見る。運転パラメーター自身を聴講者に扱ってもらい、原因と結果の「因果関係」を体感していただく。 粉体プロセスは、様々な分野を横断する基本的単位操作で有り、1つの分野では当たり前の標準手法が、他の分野では全く新しい試みである事も多い。異なる分野で同じ悩みが、同じ様なブレークスルー手法で解決される可能性もある。 多くの若い技術者が「腑に落ちる」ように、整理した形で粉/粒に対する考え方を解説する予定である。