活性炭は、排ガス中の希薄な溶剤蒸気、有害成分の回収・除去、炭化水素の分離、大気浄化、諸工業における液相精製、排水処理、浄水処理など多方面で用いられてきた。
まず、活性炭の役割とニーズ、吸着相互作用、吸着平衡、吸着速度と拡散の考え方、破過特性を講述し、活性炭吸着の基礎を解説する。次に、活性炭の種類と特性、用途に合った活性炭の選定を述べる。さらに、活性炭の作製法と細孔構造制御法に関して解説し、活性炭の効率的な再生とコスト低減策を述べる。また、メソ細孔性カーボンに関する研究開発事例を紹介する。講演の最後には活性炭利用におけるトラブルシューティングに関する質問を受け付ける。
- 活性炭吸着の基礎
- 活性炭の役割とニーズ
- 吸着相互作用
- 各種吸着相互作用
- 液体吸着における相互作用
- 気体吸着における相互作用
- 吸着平衡
- 吸着量の測定と吸着平衡
- 吸着等温線の分類
- 吸着平衡データ解析の考え方
- 吸着熱と吸着平衡の温度変化
- 吸着速度と拡散の考え方
- 多孔性固体における物質移動
- 境膜での拡散と粒子内拡散
- 線形推進力近似
- 破過特性
- 破過曲線とは
- 固定層における吸着速度論
- 近似計算
- 破過時間と破過曲線の計算
- 吸着平衡と吸着速度のどちらが重要なのか
- 活性炭の特性と用途に合った特性
- 活性炭の種類と特性
- 粉末活性炭
- 粒状活性炭
- 繊維状活性炭
- ハニカム状活性炭
- その他の機能性活性炭
- 用途に合った活性炭の選定
- 吸着特性の指標と支配因子
- 表面特性と細孔特性を考慮した選定
- 活性炭の作製と細孔構造制御
- 活性炭の作製法
- 前駆体の炭化と賦活
- 細孔構造制御の問題点
- 細孔構造制御法
- ゾル – ゲル法を利用したメソ細孔制御
- 賦活前処理によるメソ細孔の形成
- 活性炭の効率的な再生とコスト低減策
- 活性炭の再生法の特徴と比較
- 減圧再生 (PSA操作)
- 加熱再生 (TSA操作)
- 水蒸気脱着
- 薬液再生
- 生物再生
- 再生による活性炭の変化と吸着効率低下の防止策
- 再生による活性炭の表面化学構造の変化
- 繰り返し再生の影響
- 吸着効率低下の防止策
- 効率の良い再生によるコスト低減策
- 研究開発事例
- ゾル – ゲル法によるカーボンゲルの作製と応用
- ゾル – ゲル法によるカーボンゲルの合成
- カーボンゲルのナノ細孔構造制御
- カーボンクライオゲルのバルク形状制御
- カーボンクライオゲルの応用
- 電気二重層キャパシタ電極
- リチウムイオン電池用負極材料
- 廃棄物からのメソ細孔性活性炭の作製と応用
- 活性炭の新規製造法
- 各種固体廃棄物からの活性炭製造
- 作製活性炭の液相吸着特性