日本企業が今後アジアの新興企業や欧米企業との競争を制し、長期にわたり存続・成長していくためには、長期に市場の動きを捉え、これら競合企業に先手を打ち、新しい事業、新しい製品を継続的に展開していくことが不可欠です。この点については、多くの企業でその必要性が認識され、既にマクロ環境分析に取り組む企業は増えています。しかしながら、これら企業で進められているマクロ環境分析においては、そこに多くの経営資源を投入しながらも、その結果が新事業や新製品に結び付かず、多くの企業で「大山鳴動して鼠一匹」という状況が見られるのも事実です。
本セミナーにおいては、自社の事業領域から出発しながらも、以下の4つの思考拡大法を用い、将来を広く、長く、高い視点から俯瞰するという分析・発想拡大を行い、演習を含め確実に新事業や新製品そして研究開発テーマに結びつける方法を学んでいただきます。方法論は、市場・製品・技術ロードマップの作成や自社のコア技術設定にも、応用いただくことができます。
- マクロ環境分析とは
- 研究開発におけるマクロ環境分析の活動と目的
- 「予測」するのではない「想定」する
- マクロ環境分析の視点
- 市場ニーズ変化/市場ニーズ充足法の変化
- 機会/脅威
- 将来に向かって変革を強く意識して大きな方向性を設定 (GEの例)
- マクロ環境分析への正しい期待
- ☓ :想像もしていなかった全く新しいテーマの出現
- ○ :イノベーションは既存の知識から生まれるもの
- マクロ環境分析のイメージ (機械メーカーの例)
- マクロ環境分析の『マクロ』の意味
- 広い視野:PEST、自社~地球規模、企業を取り巻くステークホルダ
- 長い視野:将来を見通す、デュポン・トヨタの例
- 高い視野:俯瞰と鳥瞰、大きな流れを捉える
- なぜ今マクロ環境分析なのか?
- ドリルメーカーは顧客に何を売っているのか?
- ものづくり vs. 価値づくり
- 今『価値づくり』経営が求められる
- 『価値づくり』とマクロ環境分析の関係
- マクロ環境分析のその他の5つの効果
- その1:新しい価値提供機会を顧客や他社に先んじて発見できる
- その2:世の中の大きな後押しの存在により成功確率を向上できる
- その3:周到な準備により高い目標の達成を可能とする
- その4:既存の固定観念に左右されない自由な発想ができる
- その5:社員のプライドを高めることができる
- 日本企業のマクロ環境分析の問題点とその対処法
- 共通的な問題:「大山鳴動して鼠一匹」
- なぜこのような問題が起きるのか?
- 本問題の解決策としての4つの思考拡大法
- 顧客価値拡大モデル (VACES)
- 思考拡大の枠組み (PEST)
- 発想法 (MECE)
- 隣接可能性 (AP)
- 新しい事業領域を探す場合
- 問題の解決策
- まずは既存知識に基づき広く、遠く、高く発想し、更に発想を拡大
- 顧客価値拡大モデル (VACES)
- 企業が顧客に提供しているのは製品ではなく「顧客価値」
- 顧客価値は、それら様々なニーズに対応したもの
- 顧客価値拡大モデル (B2Bモデル)
- 顧客自身の製品・サービスの提供価値向上 (日本触媒の例)
- 顧客の懸念・面倒の払拭 (日東電工の例)
- 顧客の全体コスト低減 (東洋電機の例)
- 顧客社員の作業環境や能力の向 (コマツ/日本ペイントの例)
- 顧客の社会的価値向上 (アンテナメーカーの例)
- 顧客価値拡大モデル (B2Cモデル)
- 思考拡大の枠組み (PEST)
- 視野を広げる視点としてのPEST
- PEST間の関係
- Political:政治
- マクロ動向 (政治) の例
- 分析の枠組み
- 分析の視点:省庁の活動で
- 市町村レベルから世界レベルまで
- Economical:経済
- Societal:社会
- Technological:技術
- マクロ環境変化 (技術) の例
- 大きな技術体系
- 外部技術による市場ニーズ発生と内部技術による市場ニーズ充足法創出
- マクロ環境分析対象 (目の付け所の技術) :技術インパクトと技術成熟度
- 発想法 (MECE)
- ピラミッド構造は強力な発想法
- ピラミッド構造とは
- ピラミッド構造の発想をする5つの要素
- MECEの発想法のマクロ環境分析における利用法
- 想定される疑問点とその対応
- 複数のピラミッド構造を作る
- 隣接可能性に基づく専門家意見の聴取 (AP)
- 隣接可能性 (Adjacent Possible)
- 第三者の目での適切・効率的フィードバック
- 全体を眺めることで追加的な気づきを得る
- マクロ環境分析の全体プロセス
- マクロ環境分析の全体プロセス
- 事業領域の事前設定
- 定期的な更新の必要性
- ステップ1:視野の拡大と初期発想
- タスク1:市場ニーズ発想と自社のとっての機会・脅威への展開
- タスク2:マクロ環境分析対象分野の選択
- B2B企業の分析対象 – 階層を超えて
- ステップ2:ピラミッドの叩き台の作成
- 発想の構造化と発展・拡大
- 複数のピラミッドの作成
- ステップ3:情報の収集とピラミッドの進化
- 情報収集の目的
- 2つの情報 – 形式知と暗黙知
- 未来予測レポートの事例
- 暗黙知収集のための活動
- ステップ4:第三者・専門家意見の聴取
- 第三者・専門家意見の聴取の目的
- 第三者・専門家意見の聴取の効果
- 第三者・専門家意見の聴取対象者
- ステップ5:ピラミッドの完成
- ステップ6:新事業、ビジネスモデル、コア技術発想等
- 演習
- 最後に