~一包化に適した薬剤、適さない薬剤~
(2018年1月17日 10:00〜12:00)
超高齢化により一包化調剤の需要が多くなっている。一方で、薬剤固有の特性は様々となっており、その特性により一包化調剤に要する時間が大きく左右されている。結果として、効率的に調剤業務を行えない状況となっている。 上記の現状について、事例を織り交ぜながら説明し、薬剤に求める特性等を提言する。
(2018年1月17日 12:45〜14:15)
産学連携による花巻服薬支援プロジェクトを構築して、一包化対応服薬支援装置を研究開発し、高齢者のモニタリング実験を行った結果、服薬アドヒアランス改善と見守りに役立つことが明らかとなった。今回は服薬支援装置の研究開発から製品化、普及に至るまでの経緯を紹介する。
~企業戦略として~
(2018年1月17日 14:30〜16:00)
高齢化社会を迎え、色々な面での医療の変革が言われている。そして薬物療法においても多くの問題を抱えている。その一つに医薬品のアドヒアランスの問題がある。本問題は適正な薬物療法の実施のカギであるだけでなく、いわゆる残薬問題としての医療経済学的問題も抱えている。従って、医療人においては服薬管理への支援などを始め、医薬品の取扱いから健康への支援など非常に幅広い支援が期待されるようになってきた。一方薬剤師業務の基本である調剤業務においても、これまで以上に多くの支援が求められ、患者の側に立った調剤へのシフトが進められている。その一環として、一包化調剤が広く実施されている。一包化調剤は多種類の医薬品を服用している患者で飲み忘れなどの防止や心身の特性により被包からの取り出しが困難な患者において有用であることにより保険診療においても一包化加算として認められている。一包化調剤による患者支援や一包化対応服薬支援装置を利用することで改善効果があるという報告もある。また日本老年医学会の「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015, Ⅱ 全般的指針, 2 服薬管理・支援と一元管理, pp14 – 17」においても、服薬のアドヒアランスをよくするための工夫として一包化調剤の指示が推奨されている。しかし、一包化調剤には、調剤時だけでなく、医薬品の変質などの在宅管理での問題や一包化による服薬管理の支援方法など、色々な問題があることが知られている。特に一包化調剤に対応した製剤や機器などの、いわばハード面での対応が遅れている。ハード面での対応では製薬企業だけでなく、医療機器系企業の協力も不可欠であり、現場と企業との相互の協力を介した対策が必要と考える。 一方、一包化調剤の展開として、服薬管理へのより大きな支援が期待されている。IT技術などを利用した新たな社会的システムを取り入れた支援やそのための医療界、社会、企業含めた支援が今後より重要と考えられる。 そこで、一包化調剤における現状の問題点と今後の展望について新たな考え方を紹介する