第1部 新時代における蛍光体の用途
(2017年12月19日 10:30〜12:30)
テレビをはじめとするディスプレイの大半が液晶ディスプレイとなった現在、蛍光体分野の衰退が心配されたが、2014年の日本人3人のノーベル物理学賞の受賞に代表されるように、白色LED用蛍光体という新たな用途の需要により蛍光体は復活した。
一方ディスプレイ分野においても、無機蛍光体に限定しなければ新たな動きは少なからずある。特に、2020年の東京オリンピックに照準を合わせた8K即ちスーパーハイビジョン、フレキシブルディスプレイ、量子ドット蛍光体の開発とディスプレイへの応用など話題に事欠かない。
白色LEDにおいても今後演色性の向上、外部量子効率に改善等まだまだ課題はたくさんある。本項では、これらの話題に言及するために必要な、ルミネッセンスの基礎、励起機構、蛍光体の合成方法について解説し、蛍光体、ディスプレイおよび白色LEDの今後について紹介する。
- ルミネッセンスの基礎
- 発光機構
- 母体材料
- 発光中心材料
- 量子ドット
- 用途に応じた励起機構
- 発光型ディスプレイ
- 白色LED
- 液晶バックライト
- 量子ドットディスプレイ
- 蛍光体の製造方法
- 液相合成
- 固相合成
- 気相合成
- 薄膜形成
- 今後の動向
- 蛍光体開発の新しいアプローチ
- 今後のディスプレイ
- 8K
- フレキシブルディスプレイ
- ウェアラブルディスプレイ
- 蛍光体の屋外での利用
- 白色LED
第2部 蛍光体の熱消光・劣化機構と対策
(2017年12月19日 11:20〜12:30)
- 蛍光体研究における基礎的な知識
- 蛍光体に要求される特性
- 現行蛍光体の現状と問題点
- 結晶構造解析
- 結晶構造と光学特性の関わり
- 蛍光体の合成と熱特性の評価
- 合成法による発光特性の違い
- 蛍光体の評価法
- 熱特性と結晶構造の関係
- 各種蛍光体の劣化機構とその対策
- シリケート系およびアルミン酸塩蛍光体の長期劣化機構は加水分解
- 大多数の窒化物蛍光体は劣化に弱い
- βサイアロンにささやかれる劣化問題とは本当か?
- 青色蛍光体BaMgAl10O17:Eu (BAM) の劣化機構
- 劣化に強い (Sr、Ca) MgSi2O6:Eu (CMS) 蛍光体
- 従来の蛍光体劣化問題とLED用蛍光体の劣化問題の違い
- 劣化防止の対策技術のトレンド
第3部 蛍光体における評価測定システムについて
~蛍光に関する各種評価法と測定法~
(2017年12月19日 13:10〜14:20)
蛍光体の評価方法は、量子収率や発光色、演色性、高温条件下での評価など多岐に渡ります。本講演では、これまでお客様から頂いたご要望に基づいて構築した、LED用蛍光体の様々な評価システムをご紹介します。
- 分光蛍光光度計とは
- 量子収率評価の最先端
- “相対“から“絶対“へ
- より正確な量子収率評価方法
- 最先端の測定事例
- 量子収率評価の今後
- 高温環境下における蛍光特性評価
- 発光色・演色性の評価
- 蛍光体単独の色評価
- 高温環境下での蛍光特性評価
- 環境変化試験の今後