本セミナーでは、医薬品製造における逸脱・変更管理のクラス分けと一変・軽微変更の判断基準について、GMP適合性調査における指摘事項指摘事例を交えて解説いたします。
アメリカ、日本のPIC/S加盟を踏まえ、現在50ヵ国以上の査察機関の加盟又は加盟申請により、GMPの国際的な整合性がより鮮明となった。そうしたGMPのグローバル化の大きな流れの中、医薬品の製造管理、品質管理を行う上で、逸脱と変更管理とは車の両輪のごとく日々発生し続け、緊急の対応を迫られることの多い品質保証上の重要課題と言える。そのため、医薬品製造における逸脱/変更管理のクラス分けと一変・軽微の判断基準について、解り易く解説する。 一方、「化血研」問題に端を発し、昨年全医薬品を対象に行われた製造販売承認書の「一斉点検」の結果、全体の約7割に当たる2万品目以上に、軽微変更届が必要な相違が認められた。改正薬事法により製造販売承認書の製造方法欄には詳細な記載が求められることになったが、軽微変更の届け出で良い場合、一変申請が必要な場合など、実際に一変申請や軽微変更を行う場合、厚生労働省からの通知類や記載例を参考とした場合でも、どの様に記載するのか、そしてどこまで記載するのかについては判断に迷う場合が多い。対応を誤れば製品回収措置がとられ、製造販売業者の大きな信頼度失墜となる。こうした背景もあり、今年6月に「製造販売業三役の適正な業務実施」について厚労省から通知が発出され、承認書と製造実態の相違等法令遵守が強く求められた。 以上、医薬品製造における逸脱/変更管理のクラス分けと一変・軽微の判断基準について、承認書と製造実態の齟齬についてのGMP適合性調査における指摘事項指摘事例も紹介しながら、分かり易く説明する。さらに、この様な逸脱/変更管理の対応を、品質リスクマネジメント (ICH Q9) や医薬品品質システム (ICH Q10) と連動させることにより、最終的には製品ライフサイクルの中で、「製品設計品質を永続的に確保」に繋がることを解説する。