架橋の基礎と物性制御のコツ

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プログラム

架橋は高性能・高機能高分子材料を得る方法の一つである。架橋により高分子は他材料にみられない特徴的な物性や運動性を示すようになる。  本講座では、未架橋高分子系、特に高分子溶液の特性に簡単に触れ、架橋による液体から固体への変化をゾル – ゲル転移の視点から捉える。構造上の変化 (ネットワーク形成) と運動性の変化 (粘弾性) の相関に注目しながら、高分子の物性制御を行う上で基本的な概念を説明する。それらの知見をもとに、複雑な架橋構造を有する水素結合ゲル、水溶性ゲル、感熱ゲル、バイオポリマーゲル、剪断で誘起されるゲル、などの具体的な例を紹介し、新規ゲル材料開発のヒントとする。

  1. 架橋の形成 (Part1)
    1. 化学架橋と物理架橋 (両者の共存と変換)
    2. 多官能性低分子の分岐反応と高分子の架橋反応 (ゲル化に導く化学反応)
    3. 架橋強度と架橋寿命
    4. 架橋体の分子量分布と平均分子量 (理論解析)
    5. 物理架橋の導入法
    6. 水素結合による架橋
      • 低分子ゲル化剤
      • 水素結合性微結晶
    7. 疎水凝集による架橋 (会合性ゲル)
    8. バイオポリマーの架橋
      • ヘリックス架橋
      • イオン補足架橋
    9. 高分子の立体規則性と架橋形成能
  2. 架橋の構造 (Part2)
    1. ゲルの大域構造と局所構造 (構造パラメータ)
    2. 架橋数 (架橋密度) とゲル化点
    3. 架橋多重度と架橋長 (架橋の特性パラメータ)
    4. ゲル化点測定による架橋構造の推定 (拡張エルドリッジ-フェリー法)
    5. 架橋の弾性的有効性 (スカンラン-ケースの判定条件)
    6. 架橋を阻害する因子 (水和、高分子のコンホメーション変化)
    7. 分子内架橋から分子間架橋へ
  3. 架橋の運動 (Part3)
    1. 外力による架橋点の移動とゆらぎ (アフィン変形ゴム弾性と非アフィン性)
    2. 架橋のすべりとゲルの張力 (張力プラトーの出現)
    3. 高分子の粘弾性に関する基礎概念
      • 複素弾性率
      • 非線型粘度
      • 剪断開始流
    4. 架橋の組み替えによる粘弾性の発現
    5. 架橋の生成と消滅によるレオロジー特性 (シニングとシックニング)
    6. 架橋体の時間依存性流動
      • 流動硬化
      • 応力極大
      • 流動破壊
    7. 剪断流印加によるゲル化
    8. 架橋体の破断強度

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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