第1部 研究開発/R&D部門が行うべき新価値創造法
~未来トレンド分析/技術棚卸し/技術ポートフォリオマップ~
(2017年12月11日 10:30〜12:30)
「よいモノを沢山つくれば、売れて儲かる」という時代ではなくなってしまった今日では、R&D部門への期待もこれまでと大きく変化をしています。既存の商品 (製品、及びサービス) の延長線上の機能・性能の開発競争ではない、新しい顧客価値創出に繋がる事業モデルを構想することがますます求められています。そうした役割期待の高まりとは裏腹に、長年のものづくりの価値観からの脱却は難しく、R&D部門の多くでは、「よいモノ」をつくるための技術開発とその特許化から先の活動は実践が進んでいません。
本セミナーでは、従来商品の延長線上にはない、新価値創造の研究開発テーマを構想するための基本的な考え方と、日本能率協会コンサルティングが開発し、多くの企業で事業成果を創出してきた新価値創造の実践手法「シャイニングスター構想法」をご紹介します。
- 研究開発を取り巻く状況
- 今日の研究開発を取り巻く事業環境
- 「よいモノを沢山つくる」だけでは儲からない。R&D部門が「夢」を見るのが難しい時代へ
- 経営がコーポレートR&D部門に求める役割期待
- 既存の延長線上ではない、新しい顧客価値を見出す「シャイニングスター構想法」
- 潜在ニーズ発見のための基本的考え方
- 将来の価値観の潮目変化:トレンド分析の方法論
- 現状の市場分析ではなく、未来のトレンド分析からお客様の「あったらいいな」を発想する
- お客様の「あったらいいな」と自社技術の強みとをマッチングさせる「技術棚卸し」
- 自社がよく耕してきた技術の土壌の上に新事業の種を蒔く
- お客様の「あったらいいな」と、自社技術の強みとをマッチングさせる「技術ポートフォリオマップ」
- 自社にとってリアリティのあるテーマとするバックキャスティング法
- 技術的に飛躍し過ぎた「ありえない」開発テーマには、お客様がついてこられない
- 極端な理想像から、お客様の半歩先をいく開発テーマにするための3つのバックキャスティング法
- 技術ポートフォリオマップから、自社ならではのビジネスのリアリティをチェックする
第2部 「人」を中心に据えた新価値創造のメソッド
~人間の見方と新価値創造までの3ステップ~
(2017年12月11日 13:15〜15:15)
あらゆるカテゴリーで消費者は「だいたい、いいんじゃないですか?」という状態で、そこにはあからさまな問題やニーズは存在しません。そんな成熟した市場では、技術や市場、ユーザーではなく、人間を見に行くことから始めなければなりません。まず、本人も気づいていない隠れた問題や欲求 (=インサイト) を発見することが重要です。そこから見い出した将来価値を次世代技術で実現していくのです。技術起点の思考プロセスでは、既成概念から逃れることができず、イノベーションにつながるような新価値創造は難しいのです。
この講演では、新価値創造のための3つのStepで必要となる手法やフレームワークについて実際の事例も交えて解説します。
- はじめに:なぜ成熟した市場で新価値創造が難しいのか理解する
- Step1. Opportunity 機会領域を特定する
- 人の興味関心に寄り添い、価値から入って不満を明らかにする
- 人間を見に行く道しるべ (生活の14分類、社会イシューの25分類など)
- マイクロトレンド (新奇事象) に着目し、機会領域を洗い出す
- 洗い出した機会領域を定量的に評価し、特定する
- Step2. Insight 消費者インサイトの発見
- 本人も気づいていない隠れた不満や欲求 (インサイト)
- インサイトの3分類 (価値/不満/未充足) と4要素 (シーン/ドライバー/エモーション/バックグラウンド)
- 人間の表と裏 (デビルインサイトとエンジェルインサイト)
- インサイトリサーチの手法 (心理学・投影法と文化人類学・エスノグラフィからのアプローチ)
- Step3.Ideation 価値・アイデア開発
- インサイトから新価値・アイデアを開発するフレームワーク
- 新価値・アイデアの検証方法
第3部 人間生活ビッグデータと行動センシング技術を活用した新価値創造のメソッド
~IoT、AI時代の新価値創造事例~
(2017年12月11日 15:30〜17:30)
我が国では高齢化に伴い本格的な多様性社会が到来しつつある。そこでは、従来扱われてきた個人差の問題だけではなく、変わり続ける個人の多様な特性を配慮した新たな価値創造の方法論が強く求められている。
本講演では、社会で求められている「価値」とは、いったい何か?、人の特性が多様である一方で、それを科学的に扱うデータが分散して存在していて扱いにくいという矛盾を抱えた課題に対して切り込む方法、ビッグデータ化されたデータから生活の諸問題を、それを変化させ得る粒度で的確に抽出する技術、様々な気づきによって得られたアイデアをイノベーションに繋げ新たな変化を生み出す価値創造の方法などについて具体的に解説する。最近の人工知能技術、ビッグデータ活用技術、IoT技術などの具体的な活用事例を紹介する。
- 社会と技術
- 最近の人工知能、IoT技術の潮流
- 今解くべきグローバルな課題とSDGs
- IoT、AI時代の新価値創造
- 価値創造の「価値」って何?
- 社会問題解決のための問題構造の「変えられる化」とイノベーション
- 社会問題解決型イノベーションの可能性とデータ駆動型の支援技術
- 人の行動を計測する技術
- 新たなIoT技術 (ウエアラブルセンシング技術とアンドレッサブルセンシング技術)
- 課題に気づかせてくれる技術
- 生活データと人工知能技術を用いたアウェアネス技術
- 人の多様性とデータの多機関分散性を扱うスマート・リビングラボ技術とその活用例
- IoTや生活データを活用した生活安全技術
- IoTや生活データを活用した高精緻ヘルスケア技術
- IoTや生活データを活用した社会参加支援技術
- IoTや生活データを活用した生活機能低下者のための製品安全技術
- 価値創造のためのいくつかのアプローチ
- データと変人の知恵の活用
- 多職種連携の活用
- 既存社会システムを活用するクルージ戦略
- 展望