今後の人工知能の進展は、既存のクルマ技術やクルマ産業に対し大きな脅威となる。
特に、2010年頃から世界規模で話題になった自動運転の発展はICTの指数関数的発達に牽引され、ここ数年でその実現性が急激に高まった。特に、Google/Waymoの最近の進化は顕著であり、既存のクルマ産業には大きな焦りが見える。一方、米国では今後のクルマ産業にとってICTの融合が必須なものになると見て、高いICT技術を有する米国の優位性を見出し、クルマとICT産業の双方の協力、および政府を挙げての完全自動運転の市場形成の積極的推進が進んでいる。
その背景となる過去2年間に於ける技術と欧米各国政府の政策等の急激な変化を解説し、今後10~20年にいかなるパラダイムシフトがクルマ産業に起こり、クルマの技術開発や事業体制に影響を及ぼし得るのか、その対策を含め概説する。
- 自動運転とは?
- 自動運転の本質
- ヒトの脳の代わりにソフトウエアが運転する
- 自動運転市場が拡大する必然性
- 自動運転の開発に向けた海外の視点
- NHTSA (米国連邦運輸局) の最新定義2017年版
- それに乗って活発化する欧米企業
- 自動運転の実現に向けた課題
- レベル3の発展と実現困難性と海外各社の動向
- 見えてきたレベル4/5の実現性 (Waymoの一人勝?)
- 自動運転の作り方=ソフトウエアの開発
- 見える世界への対応
- センサー・フュージョン
- 走行アルゴリズム
- 見えない世界への対応
- グローバル・データセンター及びVehicle IoTの導入
- 3次元地図の重要性と走行アルゴリズムの関係
- 車載ICT/IoTの実装とデータセンター/クラウドとの関係
- コネクテッド・ビークルの発展
- ADASから自動運転への発展
- クルマを核としたサービス事業の可能性 (ロボットタクシー等)
- 人工知能とは?
- 人工知能の概要
- ICTの発展とテクノロジー・シンギュラリティ
- 人工知能と脳神経科学のシンクロニシティ
- 量子コンピュータと自動運転の関係
- 自動運転に必要な人工知能
- 画像・オブジェクト認識の発展
- 深層強化学習と走行アルゴリズムの生成
- アルファGOと自動運転
- 自動運転への人工知能導入の課題
- 人工知能と演繹性
- ネットワーク・セキュリティ
- プライバシー
- 倫理と意識 (トロッコ問題等)
- 今後の展望
- シェアリングエコノミーの発達とクルマのソフトウエア開発体制の変化
- 今後10 – 20年に激変する産業構造とその変化への対策
- 産業構造がクラウドの上に乗る
- 情報処理、トランスポーテーション、エネルギーのネットワーク化
- 予測される産業構造の激変
- まとめ及びQ&A