顕微FT-IRはプラスチックフィルムの任意な局所や表面に対して重要な化学構造情報を入手できるため、工程異常、クレーム対応、他社品分析、研究開発支援等、幅広い分野の分析解析に頻繁に使用されている。しかし、分析試料量、状態、分析時間等、制約された状況で、効果的な分析情報を得るためには、何等かの準備や工夫が必要である。
本講では、長年実施してきたIR分析事例等を取り上げ、試料前処理、測定、解析技術、これらのデータの活かし方等、受講者の要望に従って判り易く紹介したい。
はじめに
~試料前処理技術は分析結果に大きく影響する~
- 開発・生産・販売を促進するための情報とは?
- 汎用的分析装置の特徴と留意点
- 分析情報の流れ 等
- 微小物・微量物の分析
~IR法の限界に近い微小物、微量物等はどの様にして測定するのか~
- 測定のための経緯から準備
- 経緯
- FT-IRの導入
- 実態顕微鏡の選定
- 環境設定
- 試料台の作製
- 扱い用具の工夫 等
- 微小物分析の具体例
- フィルムの付着異物
- 埋没異物
- 膜状付着物
- 埋没異物分析
- 異常発生原因まとめ 等
- 微量物分析例
- 蒸着異常解析
- 医薬品微量代謝物の解析
- アミノ酸単結晶の配向解析 等
- 薄膜・多層膜・合成樹脂の分析
~IR分析でどの分野まで対応可能か、その工夫とは~
- ATR代替法・IR分析の実際
- 経緯と考え方
- 試料変換
- 転写法
- 溶出法
- 数10㎚被膜測定例等
- 層分離と層非分離分析
- 食品包装材料及び超多層膜製品
- 飲料缶の異常解析 等
- 合成樹脂の加水分解物
- 溶出分離分析
- ポリマーの組成分析
- 紫外線吸収剤
- 可塑剤
- 無機物 等
- 種々の分析事例
- 日常品
- 記録媒体
- 医療材料
- 考古発掘物
- 会話中の汚染 等
- IRスペクトルの解析
~測定したIRスペクトルは、どの様に読むのか、活用するのか~
- 動的スペクトルと静的スペクトルについて
- スペクトル検索と蓄積情報へ展開
- 市販データ集
- 独自のデータ収集と活用はどの様にするのか
- 不具合スペクトルと解析のための試料前処理
- 分子軌道法によるスペクトル解析
- おわりに
- 分析担当者が提供できるもの
- 分析の面白さ喜び
- 質疑応答など