製品の価値は、その機能性に加えて感性価値にも左右される。触感はこうした感性価値に重要な役割を果たす感覚であるものの、現在のところ一般的なセンシングやディスプレイは存在しない。
本セミナーでは、触感を表現する多くの用語を整理するために用語同士のつながりを明確化する手法や、触覚受容器の特性を工学的に理解した上での触感の計測およびデータ処理方法を解説する。
- 五感の中の触感の位置付け
- 工学的な利用の状況
- 触感の重要性
- 触感利用の難しさ
- 触感用語の複雑性
- 触感知覚のプロセス
- 物性と状態量
- 触感用語の整理
- 階層的触感知覚構造の仮説
- 低次触感と高次触感、嗜好性の因子
- 階層的触感知覚構造の構築法
- 触感を知覚する感覚受容器
- 触覚受容器の種類
- 受容器の特性
- 受容器の分布
- 工学的応用に向けた特性の理解
- 触覚受容器の発火状態の推定法
- 発火閾値の周波数特性
- 発火量の定量化手法
- 触感センシングの具体例
- 評価サンプルと評価語
- 官能評価実験の方法
- 官能評価実験の結果の統計的扱い
- 統計解析の結果
- 触感センシングシステムの構成
- 触感センシングシステムを用いた測定結果の解析
- 測定データと官能評価結果の統合
- まとめ