液体と固体表面が関与するぬれ現象の把握と制御は、塗工・乾燥工程に関連する各種工業操作のみならず、マイクロエレクトロニクス、バイオ・再生医工学など、一見無関係に思える先端的工業操作においても重要な要素を占めています。
ここではぬれ現象の基礎である接触角・表面張力に関する理論、これらに影響を及ぼす諸因子や測定・評価法の解説と、シランカップリング、チオール、ホスホン酸および親水性ポリマーなどによる固体表面の撥水化・親水化表面改質、酸化チタンなど光エネルギー照射によるぬれ性制御方法および材料表面の超撥水化・超親水化に関連した工業的応用例について説明します。
- ぬれ性、表面張力の基礎と測定方法
- 接触角とその測定方法
- 表面張力とその測定方法
- 材料表面の親水性・疎水性に影響する諸因子
- 表面官能基と親水性・疎水性の関係
- 表面ラフネスと親水性・疎水性の関係
- 材料表面の親水性・疎水性評価方法
- 表面張力測定法
- Welhelmy法
- ペンダントドロップ法
- 滴重法
- 最大泡圧法
- 接触角・ぬれ性の測定方法
- 転落角・前進/後退接触角を通じた動的ぬれ特性評価
- 親水性・疎水性評価のための材料表面分析
- XPS
- AFM
- 化学的表面改質による親水性・疎水性制御
- 前処理・洗浄工程
- シランカップリング剤処理
- ホスホン酸処理
- チオール処理
- 薄膜化・厚膜化
- 外部エネルギー応答型親水性・疎水性制御
- 温度応答型ぬれ性制御
- 光応答型ぬれ性制御
- 長時間保持できるぬれ性・超親水/油・超撥水/油制御方法
- 材料表面の親水性・疎水性の工学的応用例
- 表面へのぬれ性パターン付与方法
- インクジェット回路印刷プロセスへの応用
- 伝熱促進技術への応用