ドライバ状態の検知・推定技術とモニタリングシステムの開発

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会場 開催

本セミナーでは、「眠気、覚醒度、脇見、疲労」などを検知するセンシング技術、高精度な状態推定について詳解いたします。

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プログラム

第1部 マイクロ波ドップラーセンサを用いた車載応用非接触心拍変動モニタリング技術

(2017年12月11日 10:00〜11:10)

 近年、健康起因の交通事故件数は増加傾向にあり、高齢化に伴うさらなる増加が予測されています。運転中の心拍変動を常時計測することができれば、心血管疾患による運転中の発作や居眠りの検出が可能となり、重大な事故の防止に貢献できます。  従来の計測技術では人体表面にセンサを直接接触させる必要がありましたが、本講演では車載応用に向けた非接触心拍変動計測技術としてマイクロ波ドップラーセンサに着目します。ロードノイズや体動ノイズへの対策、及び実際の走行車両内での計測についても解説します。

  1. 心拍変動とその応用
    1. 心臓の拍動
    2. 心拍の変動
    3. 心拍変動の応用
  2. 心拍の計測技術
    1. 従来の計測技術 (心電図、光電容積脈波)
    2. 圧力・加速度センサを用いた脈波の計測
    3. 容量結合型心電計による心電図の非接触計測
    4. 動画像を用いた心拍の非接触計測
    5. マイクロ波ドップラーセンサを用いた心拍の非接触計測
  3. マイクロ波ドップラーセンサを用いた走行車両内での心拍計測
    1. マイクロ波ドップラーセンサとノイズ
    2. 時間周波数解析とノイズ低減技術
    3. 走行中の車内における心拍変動の実測
    4. 性能評価・比較
  4. まとめと将来展望

第2部 眼球運動を指標とした注意・覚醒度状態の検知技術

(2017年12月11日 11:20〜12:30)

 ドライバの注意・覚醒度状態は、運転の安全性を考えるうえで欠かすことのできない重要な要素です。その注意・覚醒度状態を感度良く反映するとされるのが眼球運動です。眼球運動はカメラによる非接触・非拘束での計測が可能であり、近年においては、映像・画像処理技術の進歩により、日常場面でも眼球運動を測定できるようになりました。  本講座では、こうして明らかになってきた眼球運動と注意・覚醒度状態との関係性について、最近の知見を紹介します。

  1. 眼球運動の制御機構
  2. 注意・覚醒度状態の指標となりうる眼球運動の種類と特徴
    1. サッカード運動
    2. 前庭動眼反射
    3. 輻輳性眼球運動
  3. 注意・覚醒度状態の評価方法
    1. 注意・覚醒度状態の基準とその測定方法
    2. 眠気の自覚と覚醒度の違い
    3. 覚醒度と反応時間の関係
  4. 注意・覚醒度状態と各種眼球運動の関係性
    1. サッカード運動
    2. 前庭動眼反射
    3. 輻輳性眼球運動
  5. まとめ

第3部 リアルタイム心拍変動解析技術を用いたドライバ状態推定技術

(2017年12月11日 13:10〜14:40)

本講演では、自律神経活動の評価に使われる心拍変動 (heart rate variability; HRV) 解析と心拍を測定するセンサについて説明する。 そして、10年以内の実用化を目指し筆者らが開発に取り組んでいる新たなモニタリング技術を紹介し、最後にドライバモニタリング技術開発のために解決すべき課題を述べる。
  1. 心拍変動解析
  2. 心電図と脈波波形の違い
  3. 運転事故と疾患の関係
  4. てんかんについて
  5. 心拍変動解析を用いたてんかん発作予知システム
  6. 睡眠時無呼吸症候群と将来の疾患リスク
  7. 心拍変動解析を用いた睡眠時無呼吸症候群スクリーニングシステム
  8. 睡眠ステージ判定の紹介
  9. 心拍変動解析を用いた居眠り運転検知
  10. その他の研究テーマ

第4部 距離センサを利用したドライバ運転姿勢検知

(2017年12月11日 14:50〜16:00)

 コンピュータの急速な発展を受け、従来は据え置き機で行われていたような高度な計算の舞台は、ウェアラブル、車載、IoT機器、ドローンなど急速に我々の日常生活に浸透してきています。  今回はそのような計算が可能とする安全技術について、アイデアがそのまま計算として実現していく様子や、それが小さな計算基盤上で実用動作する様子を、 我々が最近行ったADAS技術開発を例にご紹介できればと思います。

  1. 運転姿勢検知の意義、自動運転との関わり
  2. 姿勢を利用したADASの概要
  3. 国内外の関連技術
  4. 関節位置推定
  5. 汎用姿勢表現とその応用
  6. 異常運転姿勢の検知アルゴリズム
    1. ロバスト性の確保
    2. 距離関数
  7. 車載可能ボードへの高性能実装
  8. 評価試験
  9. 今後の展望
    1. 実用化に向けた精度向上技術
    2. 計算機技術の発展がもたらすもの
    3. ヒューマン・コンピュータ・インタラクションと生活

第5部 画像センサによる眠気状態推定とドライバーステータスモニターの開発

(2017年12月11日 16:10〜17:20)

 自動車における重大事故の最大原因はヒューマンエラーと言われており、居眠りや脇見といったドライバの不安全状態をセンシングすることの重要性が高まっています。
当社では、ドライバの顔の状態をカメラ画像により検知し、安全支援するセンサを開発、すでに大型トラックおよび大型バスで実用化されています。このような機能をユーザに受け入れてもらうには、誤警報をいかに低減するかが重要なポイントになります。  画像処理を用いたドライバーセンシングの開発事例は多くありますが、太陽光や個人差、メガネ着用などの影響下で安定して検知できることが強く求められます。本講演ではその開発事例について説明いたします。  さらに、ドライバーモニターは今後は高度運転支援車両への搭載が期待されています。 さらに安全安心機能に加え、利便快適機能も求められることが予想されます。誤警報や誤作動を誘引しユーザの不信感を招かないよう認識のロバスト性の重要性を訴えます。

  1. ドライバーステータスモニターの必要性
  2. ドライバ状態センシングの概説
    1. 眠気発生のメカニズム
    2. 眠気状態センシング手法
    3. 眠気状態の評価指標
  3. ドライバーステータスモニターの開発
    1. 撮像技術
    2. 画像認識アルゴリズム
    3. 画像センサを用いた眠気推定技術
    4. システム評価の方法とロバスト性評価
  4. 実車環境における課題と対応事例
  5. アクチュエーション事例
  6. 今後のドライバーステータスモニター

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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