第1部 遮音・吸音のメカニズムと吸音率の予測法
(2017年12月11日 10:00〜11:30)
自動車の客席や建築構造物内の居室などの室内空間の快適性を向上させるためには、静粛性の確保は欠くことができない。
本セッションでは、静粛性向上において重要となる遮音と吸音の基礎理論について説明するとともに、それらの代表的な評価特性である透過損失と吸音率の予測手法について説明する。
- 遮音
- 物理的な現象の説明
- 透過率と透過損失
- 挿入損失
- 一重壁の遮音
- 質量則
- コインシデンス周波数
- 理論的な予測手法
- 二重壁の遮音
- 共鳴透過
- 吸音
- 物理的な現象の説明
- 垂直入射吸音率
- 斜入射吸音率
- ランダム入射吸音率
- Delany – Bazleyモデル
- 微細管内における吸音
- 等価流体モデル
- Biotモデル
- 積層型防音材
- 積層構造の利点
- 伝達マトリックス法 (TMM) による予測
- 有限要素法 (FEM) による予測
- 統計的エネルギー解析 (SEA) による予測
第2部 自動車用制振、防振材料の特性と性能向上
(2017年12月11日 12:10〜13:40)
自動車用制振、防振材料に関し、材料特性、構造と組み合わせた場合の特性について基本事項を解説する。また、実際の性能向上検討例を紹介する。さらに制振材の生産ラインにおける施工用件と耐久性についても言及する。
- 自動車における振動騒音現象と制振材料の役割り
- 振動騒音現象の例とその対策
- 制振防音の対象部位
- 制振構造の基本特性
- 材料の制振性能
- 板と制振材とを組み合わせた場合の制振特性 (平板+制振材)
- 板と制振材とを組み合わせた場合の制振特性 (三次元形状パネル+制振材)
- 補強された板+制振材
- 曲面板+制振材
- フレーム構造+制振材
- 構造自身の減衰の影響
- 制振構造の性能のCAEによる予測
- 計算方法
- 計算例
- 生産ラインにおける施工要件と耐久性
第3部 自動車における振動・騒音エネルギー流れの制御
(2017年12月11日 13:50〜15:20)
開発期間の短縮化、軽量化、など自動車開発における振動騒音 (NV) 担当者の悩みはつきない。各種の測定・CAE技術が開発され、現状分析に活用されているものの、設計にはうまく結びついていないようで、シンキングCAEや1D – CAEなどの考えが注目されている。
ここでは、NVに関するいわゆるV字型開発プロセスと設計解析手法について考察する。特に、NVを二つの視点 (モードと波動) から整理し、各設計段階でのNV設計を論じ、設計事例を紹介する。
第4部 自動車の空力音の発生、伝播メカニズム
(2017年12月11日 15:30〜17:00)
空力騒音の発生機構について学び、自動車の騒音問題に対する素養を深める.実験方法と数値解析手法について具体的に説明し、車両開発に活かせるようにする.車内騒音解析の最新事例、京を用いた解析事例を紹介する。
- 空力騒音の基礎
- Lighthillの理論 (音の発生メカニズム)
- 空力騒音の速度依存性 (6乗則と8乗則)
- 空力音の指向特性
- Lighthillの功績 (ジェットエンジン騒音の低減)
- 空力騒音の予測手法
- Curleの理論 (圧力変動をもとにした解析)
- 渦音の理論 (渦の非定常運動に基づく解析)
- 実験解析技術の実例 (PIV計測、感圧塗料計測)
- 解析事例 (数値解析技術の紹介)
- 基礎形状からの音 (円柱、角柱)
- ドアミラー騒音 (空力・音響フィードバック音)
- フロントグリル騒音 (音響共鳴音)
- ファン騒音