(2017年12月4日 10:00〜11:30)
核酸医薬の実用化に向けては、核酸の生体内での安定性を高める技術および標的組織・細胞への集積性を高める技術の開発が不可欠である。 本講座では、これらの要求を満たす技術として、ドラッグデリバリーシステム (DDS) を概説する。DDSとは薬物の体内・細胞内動態を制御する技術のことで、広義の意味ではカプセルや湿布薬も含まれるが、本講座ではナノスケールでの材料設計に基づくDDS、すなわちナノDDSに注目して核酸医薬への応用展開を紹介する。
(2017年12月4日 11:45〜13:15)
核酸医薬は、次世代医薬品として注目されており、世界中の製薬企業がその開発に凌ぎを削っている。核酸医薬に属すアプタマーは、マクジェンが加齢黄斑変性症治療薬として臨床で使用されている。 本講演では、アプタマーの特性、医薬品化に向けたプロセスについて概説する。また、アプタマーのDDSとしての可能性についても紹介する。
(2017年12月4日 14:00〜15:30)
(2017年12月4日 15:45〜17:15)
核酸医薬は直接疾患関連遺伝子を標的にできることから次世代医薬品として期待されて久しいが、生体内安定性や細胞内への取り込み等の課題により、実用化が進んでこなかった。しかし、本年、本邦でも2品目目の核酸医薬 (アンチセンス核酸医薬品としては初) が承認された。これに触発されたかのように、日本の製薬会社もあいついで核酸医薬品の研究開発への参入を表明している。核酸医薬品の開発に携わってきたものとしてこの上ない喜びである。 本講演では、核酸医薬品の新しい技術動向の紹介も含め、核酸医薬品の非臨床及び臨床開発を行う上での課題及び留意すべき点について解説する。