第1部 リチウム二次電池負極のデンドライト発生メカニズムとその抑制
(2017年11月27日 10:00〜11:30)
- リチウムイオン電池実用化の歴史的経緯
- デンドライトとは?
- 電気めっきとデンドライト
- デンドライト発生メカニズム
- 物理的条件の影響
- 化学的条件の影響
- リチウム金属電池におけるデンドライト発生と電池性能および安全性との関係
- リチウムイオン電池におけるリチウムデンドライトの発生
- デンドライト抑制対策
- 負極、
- 電解液
- セパレータ
- 電池構成
- 充電制御
- 市販リチウムイオン電池の安全性確保策
- 市販リチウムイオン電池のデンドライトによる市場トラブル例
- リチウムイオン電池の今後の展開とデンドライト
第2部 リチウムイオン電池のリアルタイム分析技術と金属Li析出、電池内反応の計測
(2017年11月27日 12:10〜13:40)
リチウムイオン電池の「安全性」に対し、内部短絡による発熱・発火は大きな問題となる。内部短絡を引き起こす要因の一つとして、電池内部におけるリチウム (Li) 金属の析出がある。Li 金属は針状/樹枝状の形態で電極上に析出し、有効なLi を消費して電池容量や出力特性を低下させ、電池内で成長すれば正負極の短絡を引き起こす。これらの理由から、Li 析出の抑制は重要な課題であり、メカニズム解明のため種々の析出過程をとらえる試みがなされている。一方、リチウムイオン電池は多種多様な部材で構成されている。それら個々の材料特性が相互作用し、電池特性やLi 析出といった現象となって現れるため、個別にLi 析出のみを追求しても本質を捉えることは難しい。
本稿では、ラミネートセルの充放電リアルタイム断面観察を行うことで、電極が電池として充放電反応する瞬間を実際に見て、金属Li 析出および電池内反応の様子を計測した結果を紹介する。
- 測定の原理
- 観察方法
- 金属Li析出の観察
- Li析出を引き起こす電池内反応
- Li 偏在の発生
- 正極反応を見る
第3部 急速充電による電極材の劣化とデンドライトの生成
(2017年11月27日 13:50〜15:20)
- リチウム電池の解体評価
- リチウム電池正極の過電圧とインピーダ ンス
- リチウム電池負極の過電圧とインピーダンス
- リチウム電池の劣化を基礎から考える ~金属リチウムの析出は害しかない~
- 金属Liの析出によるマイクロショートをどのように検出するか?
第4部 SEI皮膜に着目した負極の劣化解析技術
(2017年11月27日 15:30〜17:00)
リチウムイオン電池の負極表面に形成されるSEI被膜については、セルの容量劣化など電気特性と密接な関係があると考えられ、その組成および量の評価は材料開発の指針を得る上で重要と考えられる。
本講演では、各種分析を用いたSEIの定性、定量的な分析結果を紹介し、分析結果の総合解析と電気特性との相関について解説する。
- 解体分析の概容
- はじめに (解体分析のニーズと弊社の取り組み)
- 解体分析の流れ
- 不活性雰囲気の適用
- セルの素性分析 (18650型セルの正極、負極、電解液分析)
- 負極の被膜分析
- 添加剤 (VC) の有無による負極被膜の分析
- 被膜の表面分析
- 被膜の深さ方向分析
- 高温保存による表面堆積物の分析
- 堆積物中のリチウムの化学状態分析 (固体7Li NMR)
- 高極性溶媒による被膜抽出分析 (1H NMR)
- フロート試験による負極被膜分析と電気特性の相関
- 負極の劣化要因とセルの電気特性評価
- 被膜の表面分析
- 被膜の抽出分析
- 負極中の金属リチウムの評価