本セミナーでは、誤解されやすい疾患 (線維筋痛症や反射性交感神経ジストロフィー) との鑑別ポイント、望まれる新薬について解説いたします。
患者が痛みを訴えた時に各種検査でも所見がない場合、「ヒステリー」「心因性疼痛」と称されることが多く、精神科に紹介されるケースが多くみられる。しかし、その多くが患者の痛みを起こすような「心因」がみられないことがほとんどである。むしろ「心因性」と医療者に「レッテル貼り」をされたことにより、医療機関のみならず、患者周囲の者から冷遇を受け、患者は痛みを証明しようとさらに愁訴が多くなる。演者の経験からすると「心因性疼痛」と診断され、その後10年ほど経過を追った患者において、膠原病が潜在していたケースもみられた。 本講習においては、「心因性疼痛」を改めて厳密に定義づけを行い、安易な本用語を呼称しないよう訴えるものである。