ビジネスマンにとって、事業投資の評価や資金調達の意思決定の判断となるコーポレートファイナンスの知識は不可欠のツールとなっています。一方、コーポレートファイナンスの習得には、フリー・キャッシュフローや資本コストなど、難解な議論も多く書物などによる独習では困難を伴います。
内外の金融機関で20年以上にわたり、様々な企業価値評価や資産運用業や金融市場分析に携わり、セミナー・研修講師経験が豊富な小林武氏を迎え、本ワークショップでは、コーポレートファイナンスに関する理論を体系的かつ包括的に学んだ上で、実務に応用できるようになることを目指します。
講義では、実際の企業の株価や財務データを用いたEXCELの演習を随所に取り入れながら実践力を養成し、実務的な視点を織り交ぜながら、日本企業およびグローバル企業のコーポレートファイナンスに関するケースを数多く取り上げ、いかにファイナスのツールをビジネスの意思決定に活用していくかに重点を置きながら講義を進めます。
本ワークショップを受講することにより、実際のデータを使った資本コストの算定や企業価値評価の実践的なスキルを身に付けることができます。
- 第1部 イントロダクション (45分)
- 講義のはじめとして、コーポレート・ファイナンスの基本的な考え方やその役割について概観します。また、異なる時点に発生するキャッシュ・フローの価値を定量的に扱う方法を説明します。
- コーポレートファイナンスの全体像
- 資金の時間価値
- 第2部 リスク・リターンと資本コスト (2時間)
- ファイナンスにおけるリスクとリターンの概念を踏まえた上で、株主・債権者に対する報酬としての資本コストの考え方を解説します。
- 個別証券のリスクとリターン
- ポートフォリオのリスクとリターン
- β (ベータ) と資本資産価格モデル (CAPM)
- 加重平均資本コスト (WACC)
- レバード・ベータ、アンレバード・ベータ
- 非上場企業の資本コスト計測
- 第3部 投資の意思決定 (2時間)
- 会計上の利益との違いを意識しながら、企業価値評価の基礎となるキャシュフローの考え方を学びます。また、どのような事業を選べば良いか、いくつかの選択肢のなかからどのように選べばよいのかといった投資プロジェクトの基本的な考え方について説明します。
- キャッシュフローと企業経営活動 (FCF)
- フリー・キャッシュフロー
- 投資の判断基準
- リアルオプションによる投資意思決定
- 第4部 企業価値評価 (1時間15分)
- これまでの理論を踏まえ、株主価値や企業価値を実際に求めるためのDCF手法を具体的な日本企業のケースを通じて解説するとともに、海外企業評価の留意点や企業価値を向上させるための企業が取り組むべき具体的な施策について議論します。
- 企業価値評価のフレームワーク
- 株式評価 (配当割引モデル)
- エンタープライズDCF法
- 海外企業の価値評価の留意点
- 企業価値を向上させるための具体的施策
- 第5部 確認テスト (30分)