第1部 バイオ医薬品で起こる蛋白質凝集メカニズム、凝集体形成防止・製剤安定化に関する取組み方、ストラテジー
(2017年12月19日 10:30~14:45)
本講座では、バイオ医薬品で起こる蛋白質凝集体の発生機構と低減法・改善法、製剤安定化に関する講演を行う。また、吸着や凝集の観点から適切な保管容器についても説明する。
レギュレトリーサイエンスの動向について紹介することで、製薬における製剤およびCMC業務を遂行する際に必要となる基礎知識の習得を目標とした内容とする予定である。
- バイオ医薬品と凝集体
- バイオ医薬品に含まれる凝集体研究の現状、免疫原性との関係
- バイオ医薬品における凝集体関連情報
- 2014年8月発表”Guidance for Industry” について
- USP787について
- タンパク質の安定性、凝集メカニズム、分散性評価方法
- タンパク質の安定性
- コロイド安定性と構造安定性
- コロイド安定性とDLVO理論
- 構造安定性と自由エネルギー変化
- タンパク質の凝集メカニズム
- 第2ビリアル係数、拡散係数の濃度依存性
- タンパク質の安定性と溶媒組成、添加剤による凝集低減
- タンパク質の安定性と塩
- ホフマイスター系列
- 塩とタンパク質の相互作用
- 塩によるタンパク質の安定化・不安定化
- タンパク質の安定性と糖類
- 選択的溶媒和
- 糖によるタンパク質の安定化
- 糖を添加する場合の注意点
- タンパク質の安定性と界面活性剤
- 界面活性剤とタンパク質の相互作用
- 界面活性剤によるタンパク質の安定化
- 界面活性剤を添加する場合の注意点
- タンパク質の安定性とその他の添加剤
- タンパク質医薬の保管容器
- タンパク質の吸着
- 具体的な容器
第2部 抗体凝集メカニズムから考える抗体医薬品高品質化の細胞構築と培養
(2017年12月19日 15:00~16:45)
抗体医薬品生産プロセスにおいて、生産培養、抗体精製、製剤化の各過程において凝集抗体が形成されることが報告されている。なかでも培養プロセスにおける凝集形成については、そのメカニズムも含めて基礎的な知見を含めた研究開発の実例が少ない。
本講演では抗体生産CHO細胞の培養プロセスにおける凝集抗体の形成とその抑制法、さらに凝集を抑えるための細胞株構築などに関するアカデミア研究のシーズ技術開発を紹介する。
- はじめに
- 培養プロセスにおける抗体医薬品の品質管理技術の動向
- 培養プロセスにおける抗体医薬品凝集の研究報告例の紹介
- 細胞培養プロセスにおける凝集抗体形成機構
- 抗体生産CHO細胞からの凝集抗体分泌とその構造的特徴
- ケミカルシャペロン添加による難発現性抗体の凝集抑制の試み
- 抗体品質を向上させるCHO細胞株構築は可能か?
- 細胞工学、培養工学の観点からの抗体品質向上へのアプローチ
- 抗体 少量/迅速/多品種発現プラットフォーム
- 品質向上因子の導入による品質向上とその評価方法