本セミナーでは、リチウムイオン電池の高性能化、低コスト化、高安全性・信頼性、動作温度範囲の拡大、長期耐久性の向上について詳解いたします。
これまでは、携帯機器用のコバルト酸リチウム/黒鉛系電池をはじめとする4V系リチウムイオン電池の開発が進められてきたが、これから大きな成長が見込まれる車載用や産業用では、組電池であるため単セル電圧の制約は少なく、多様な電位を持った正極と負極との組み合わせが可能となり、電池設計の自由度が大きくなる。 電池は、正極と負極の材料によって電位が異なり、多様な電解液とセパレータが存在している。電極のみに着目しても、活物質、バインダ、導電助剤、集電体など組み合わせは膨大な数で、それぞれに適した電極製造技術が存在することも考慮すると、電池の組み合わせは無限大である。 電池の高性能化や低コスト化はもとより、安全性や信頼性、動作温度範囲の拡大、長期耐久性などを実現するためには、電池材料等の全てを見直して、それらに適した組み合わせと製造技術の最適化が重要となる。この多様性こそが次世代リチウムイオン電池を開発するためのイノベーション源泉といえる。 本講演では、多様な構成材料を組み合わせて、電池の性能評価と安全性評価などの実験結果を紹介し、各構成材料が電池特性や安全性に及ぼす影響について、動画も交えて紹介する。各々の電池材料・部材と装置等の潜在能力を最大限に引き出して、用途に応じた電池を開発することが求められる中、本講演から、将来の電池設計について多面的に考える一助となれば幸いである。