最近の先端技術に欠かせない「粉粒体材料の取り扱い」にあたっては、適正な「粒・粒子の形態」を生成する事で、粒子に目的の機能を付与する事が可能である。その一方で、粉・粒であるが為の製造プロセス上トラブルをよく理解し、安全なプロセスを構築しなければならない。目的粒子に機能を付与する、あるいは機能性粒子を生成するには、最適造粒原理を選択し、さらに、その造粒原理を有効に利用した装置を採用しなければならない。造粒物は「サイズと形態」の両方に着目することが大切であり、それぞれの造粒原理/装置には合理的な「粒子範囲」と、「生成しやすい形態」がある。そのことをよく把握し、目的に合った原理/装置と運転パラメーターを選択する事が求められている。
本セミナーでは、造粒技術を俯瞰し、その中で個別の目的物性の粒子を得るにはどのような原理の造粒技術を駆使すべきか、例えば比較的重質で流動性に優れた形態の粒子が得られる「攪拌造粒機の特徴とその運転パラメーター」等を紹介して、目的に合った装置選択の一助としたい。また、透明小型粉体挙動実演モデルを講演中に動かして、体感型のセミナーを企画している。
- 造粒技術を俯瞰する (粉体取り扱い技術全体から)
- 様々な技術分野で用いられている単位操作は、他の業界でも参考になる。
- 流れやすい粒子を作るには、どんな造粒原理が向いているか?
- 強い粒子を生成するには、どんな造粒原理が向いているか?
- 液中崩壊製の良い粒子はどの造粒原理。
- フレーバーを残したい場合は? コストの低い造粒方法は?
- 造粒操作の粒子内的現象 (攪拌造粒を例に)
- バインダー投入で始まる液架橋現象。
- 小さな粒子が取り込まれ、大きな粒子が整粒される。
- 重力/遠心力による「転がり運動」により真球性が向上する。
- 原料の「ローピングモーション」により、しまった重質の粒子になる。
- 各造粒装置の構造とバリエーション
- 小型透明粉体挙動モデルにて実演、実際に粉を粒にする。
(混合造粒機、転動造粒機、流動層造粒機。)
- 各造粒機の運転パラメーター。
- 物性の異なる粒子を用いた造粒。
- 偏析を固定化する造粒。
- バインダーの利用とその目的
- 医薬品で使われるバインダー。
- 食品業界で使われるバインダー。
- 化学品、金属粒子に使われるバインダー。
- 様々な造粒方法、造粒手法でできる粒・粒子の特徴。
- スケールアップの例
- 粉体を扱う装置のスケールアップは「現象を理解してその要素を分ける」
- 装置サイズを大きくするのでは無く、現象の規模を大きくする事。
- 熱量依存か、物質移動依存か、優先順位の大きい要因は何か?
- 各装置固有の操作パラメーターと、その効果が大きい理由。
- 粉・粒を扱うプロセスのトラブル要因
- 粉は魔物と言われる所以。
- 操作中に物性が著しく変化する粉体プロセスは何か。
- トラブル対策の基本、複雑な現象はシンプルに分解する。
- 偏析現象を体感する。
- 一般的な粉体取り扱い/造粒操作時のトラブルとその回避方法
- コスト・パフォーマンスの優れたトラブル対策。
- トラブルの優先順位付け。
- 解決策を仕込んでおくが、使わなくても良い場合はそのままで良い。
- 同じ化学式、同じ平均粒径、同じ水分でも油断はできない。
- 最近の医薬品業界における「造粒操作の連続化」要求事項、そのシステムの考え方
- 造粒機を用いたデモ
- 質疑応答、名刺交換、個別相談