高い品質の錠剤を確保するには、打錠で最新の打錠システムをもっても前工程の混合、造粒工程で不具合があった場合、難しいとされている。
そこで、本講演では、はじめに打錠用顆粒の適正な造粒法について解説する。造粒では、攪拌造粒、流動層造粒、押出し造粒等に関して、その事例も含めて説明する。また、造粒におけるスケールアップの問題点と効率的な進め方について話す。 次に、打錠では、粉体の圧縮メカニズムと圧縮性の評価について解説し、打錠で要求される要素 (充填性、結合性、離型性) と要因 (流動性、圧縮成形性、滑沢性など) を説明する。さらに、適正な滑沢剤混合について、その混合方法と評価法に関して解説する。
- 造粒プロセスの基礎とトラブル対策
- 錠剤製造のフローチャート、製造プロセスと錠剤品質
- 造粒の定義と造粒の方法
- 原薬物性に適した造粒方法
- 原薬物性の改質 (難溶性薬物、油状性薬物、凝集性薬物、難吸収性薬物等の改質)
- 打錠用顆粒としての適正な造粒法
- PL値 (可塑限界) とは?
- 攪拌造粒および流動層造粒のメカニズムと造粒事例
- 攪拌造粒、流動層造粒の粒度別の主薬含量と錠剤の含量均一性 (流動層造粒)
- 攪拌造粒および流動層造粒における結合剤の添加方法と錠剤硬度
- 押出し造粒、乾式造粒の事例
- 造粒のスケールアップでの問題点と効率的な進め方
- 打錠プロセスの基礎とトラブル対策
- 打錠工程の重要管理パラメータ
- 原薬 (粉体) の圧縮メカニズムと走査型電子顕微鏡でみる粉体の圧縮
- 原薬 (粉体) の圧縮性の評価
- 打錠で要求される要素と要因
- 粉体の流動性の評価法
- 錠剤の含有水分と成形性
- キャッピング、スティッキングのメカニズムおよび評価法とその改善方法
- 湿式打錠、直接打錠における錠剤の重量変動を抑制する方法
- 直接打錠における薬物の含量均一性
- 攪拌造粒および流動層造粒の打錠障害に関係する留意点と対応策
- 滑沢剤の混合時間と展延状態
- 外部滑沢打錠機の概要
- 総圧縮時間によるスケールアップ時の打錠速度の設定
- 打錠工程におけるトラブル改善事例紹介