本セミナーでは、人間はどのようにして質感を知覚し、感性価値を判断しているのか、そのメカニズムから、質感情報を獲得するための計測手法、定量化まで網羅的に解説いたします。
(2017年11月17日 10:30〜12:10)
人間の感性や欲求にまつわる技術の開発においては、最終的なユーザーである人間の心理や精神の科学的理解が必須である。優れた感性技術は常に人間の感覚器や脳の特性に適合しているものである。 本講演では、人間の視覚システムが網膜に与えられた映像からどのように表面の質感を知覚し、その価値 – 心地よさや気持ち悪さ – を判断しているか、を豊富なデモや錯視を交えて紹介する。
(2017年11月17日 13:00〜14:40)
質感の画像再現は、未だ確立されていない現在進行形の課題である。本講座では、実シーンをカメラで計測し、モニタで正しく再現するための較正方法などを説明した後に、色、明るさ、サイズなどを忠実に画像再現した際に、必ずしも実物体の質感が保持されていない実験例を紹介する。さらに、質感を保持したまま画像再現するアルゴリズムに関する研究事例をいくつか紹介し、今後残されている課題と将来展望について解説する。
(2017年11月17日 14:50〜16:30)
近年、製品に高級感や上質感を付与するための質感のデザインが注目されるようになってきています。質感は極めて感性的な概念であり、従来は人間による主観的な評価が中心でしたが、より定量性や再現性のある計測手法が求められています。本講座では、MEMS技術を用いて作製した、多軸接触力・光・温度に対して複合的に感度を持つ超小型センサの開発と、それを用いた人間が感じるものに近い質感の定量的評価手法の研究についてご紹介いたします。